チラシ印刷の入稿は、印刷用PDF(PDF/X-1aなど)で、塗り足し3mm・文字アウトライン化・CMYK・画像解像度を満たした状態が基本です。仕様を先に確定させてからデータを作ることが差し戻し防止の前提とされています。
この記事でわかること
- 印刷のみ発注の流れと、入稿前に確定すべきサイズ・用紙など5項目
- PDF入稿が推奨される理由と書き出し時の7つのチェックポイント
- ai・InDesignパッケージ入稿やOfficeデータで起きやすいトラブルと対策
- 制作会社へデータ納品を依頼するときの指定文言の書き方
チラシの印刷だけを外部に発注するとき、最後の関門になるのが「入稿データ」です。デザインが完成していても、形式・解像度・色設定のいずれかに不備があると、印刷会社から差し戻しの連絡が入り、入稿日が1日〜数日ずれ込みます。配布日が決まっているキャンペーンでは、この数日の遅れがそのまま機会損失になりかねません。
この記事では、自社制作またはデザイン会社から受け取ったデータで印刷のみを発注する販促担当者に向けて、推奨データ形式(PDF入稿)・塗り足し・文字のアウトライン・解像度・RGBとCMYKの違い・黒ベタの扱いという技術要件に絞って整理します。配布枚数や配布エリアの話ではなく、「刷る前に何を確認すればよいか」だけを実務のチェックリストとしてまとめました。印刷のみの発注でも、A4両面カラーの1万〜3万枚といったロットは当社の得意領域です。入稿前の最終確認にお役立てください。
印刷のみ発注で最初に押さえる「入稿データの前提条件」
チラシ印刷のデータ入稿でトラブルになる原因の多くは、データそのものの作り方以前に「仕様とデータが一致していない」ことにあります。印刷会社は受け取ったデータを基本的にそのまま出力するため、サイズ違いや色設定の違いに気づかないまま刷り上がると、刷り直し=費用と納期の二重損失になります。まずは発注全体の流れと、どの工程で何が確定するのかを整理しておきましょう。
印刷のみ発注の基本フロー
- 見積り依頼:サイズ・部数・用紙・色数・納品先を伝える
- 仕様確定:見積りを承認し、サイズや用紙を最終決定する
- データ入稿:確定した仕様どおりの印刷用データを送る
- データチェック:塗り足し・解像度・色モード・フォントを印刷会社側が確認
- 印刷・加工:問題がなければ出力。修正があれば再入稿で納期がずれる
- 納品:自社倉庫、または配布業者へ直送
重要なのは、データを作り始める前に仕様を確定させるという順序です。サイズが決まっていない状態でデザインを進めると、後から塗り足しや文字位置をすべて作り直すことになります。詳しい手順はチラシ印刷のみの発注の流れと見積もりも参考にしてください。
入稿前に確定しておくべき5項目
- サイズ:ポスティング用途ではA4(210×297mm)が主流。折込ならB4やA3二つ折りなども選択肢
- 両面/片面:情報量と予算で決定。反響を狙うなら両面が一般的
- 用紙の種類と厚さ:コート紙90kg前後が標準的な例。高級感ならマットコート、コスト重視なら薄手
- 色数:両面フルカラー(4色/4色)が一般的
- 枚数:配布計画から逆算。当社はA4両面カラー1万〜3万枚のロットを得意としています
推奨データ形式は印刷用PDF
データ形式は印刷用PDF(PDF/X-1a形式など)が最も安全です。フォントが埋め込まれ、画像も内包されるため、環境による文字化けやリンク切れが起きにくいという利点があります。IllustratorやInDesignのネイティブデータを受け付ける印刷会社も多いものの、フォントのアウトライン化漏れや配置画像のリンク切れが起きやすく、確認のやり取りで時間を取られがちです。
一方、WordやPowerPointで作成したデータ、JPEG単体での入稿は、色がRGBのままだったり解像度が不足していたりと再現性が落ちやすく、仕上がりがモニター表示と大きく変わることがあります。どうしても使う場合は、事前に対応可否と注意点を確認しておきましょう。
制作会社から納品を受けるときの依頼文
デザインを外部に依頼している場合は、納品時に「印刷用データ(塗り足し3mm付き・フォントアウトライン済み・CMYK・PDF形式)」と明記して依頼してください。Web用に書き出されたRGBのPDFや、画像解像度の低いデータが届くケースは珍しくありません。あわせて、仕上がりサイズ・両面の表裏・使用した特色の有無も確認しておくと、入稿後の差し戻しをほぼ防げます。
入稿データの準備、次に進めるべきは?
かんたんな質問に答えると、印刷後の配布に向けた進め方がわかります(約30秒)
質問 1 / 3
配布の計画はどこまで決まっている?
当てはまる方を選んでください
質問 2 / 3
印刷後の配布は誰が担当する?
当てはまる方を選んでください
質問 3 / 3
今回のチラシ配布の位置づけは?
当てはまる方を選んでください
診断結果:配布費用の目安を出して比べる進め方がおすすめです
チラシのサイズ、配りたいエリア、配る枚数の三つが決まると、配布費用の目安を出せます。入稿データの仕様を固める段階からサイズと枚数を仮置きしておくと、印刷と配布をまとめて検討しやすくなります。まずは条件を入れて目安を確認し、予算感と照らし合わせてから次の進め方を決めていきましょう。
診断結果:エリアと枚数を伝えて配布プランを相談するのがおすすめです
配布エリアと枚数の見当がついているなら、具体的な見積りと配布プランの相談に進むのが近道です。配布開始日から逆算すれば、入稿データの締切や印刷完了のタイミングも整理できます。印刷会社から配布先へ直送する流れや、エリアの分け方、配布の時期についても、条件をお知らせいただければご提案します。
推奨はPDF入稿|形式ごとの特徴と失敗しやすいポイント
印刷会社への入稿データは、現在ほとんどの会社でPDF入稿が標準になっています。理由はシンプルで、PDFはフォントと画像をファイル内部に埋め込めるため、作成した環境と印刷会社の環境の差で見た目が変わるリスクが小さいからです。ネイティブデータ(IllustratorやInDesignの作業ファイル)の場合、フォントファイルやリンク画像が揃っていないと文字化け・画像抜けが起きますが、適切に書き出したPDFなら1ファイルで完結します。データ容量も軽く、メール添付や入稿システムへのアップロードも短時間で済みます。
PDF書き出しで押さえる7つのチェックポイント
- 印刷用プリセットを選ぶ:PDF/X-1aやPDF/X-4など、印刷会社が指定する規格で書き出す。指定がなければPDF/X-1aが無難です。
- トンボ(トリムマーク)と塗り足しを含める:書き出し画面の「トンボと裁ち落とし」で、裁ち落とし3mmを使用する設定にする。塗り足しを作っていても書き出し設定で切り落とされては意味がありません。
- 画像のダウンサンプリングを避ける:圧縮設定が「150ppiにダウンサンプリング」などになっていないか確認。画質優先の設定にし、不要な劣化を防ぎます。
- 透明効果の分割・統合:ドロップシャドウや乗算などを多用した場合、PDF/X-1aでは分割・統合され、意図しない見え方になることがあります。書き出し後に必ず全ページを表示して確認します。
- 注釈・レイヤーを残さない:コメント、非表示レイヤー、トリミング前の下書き要素などが残っていると、誤って出力される恐れがあります。
- セキュリティ(パスワード)をかけない:開封・編集制限がかかったPDFは印刷工程で処理できず、再入稿になります。
- 書き出し後のPDFで最終確認する:元データではなく、実際に渡すPDFを拡大表示してチェックするのが鉄則です。
ai・InDesignパッケージ入稿との違い
特殊加工や微調整を印刷会社側で行う場合、Illustratorのaiデータや、InDesignの「パッケージ」機能でリンク画像・フォントをまとめたフォルダでの入稿を求められることがあります。この場合は、文字のアウトライン化、リンク画像の添付漏れ、作成バージョンの明記が必須です。どちらの形式でも、確認用に同じ内容のPDFを一緒に添付すると、印刷会社側が「意図した仕上がり」を照合できるためトラブルが激減します。
Officeソフトからの入稿で起きやすいトラブル
WordやPowerPointで作ったチラシは、入稿自体は受け付けてもらえることが多い一方、環境差による事故が起きやすい形式です。代表的なのは、フォントが別の書体に置き換わる(環境にない書体を使っている)、画面上の鮮やかな色が印刷では沈む、余白設定の違いでレイアウトが数ミリずれる、といった現象です。対策としては、作成元でPDFに書き出してから入稿し、そのPDFの状態で文字・色・余白を確認すること。また、Officeは塗り足しの概念がないため、仕上がりサイズ+上下左右3mmの用紙で作る、あるいは背景を端まで敷かない設計にするのが安全です。塗り足し3mmを含めたサイズ設計の基本も合わせて確認しておくと安心です。
両面チラシのファイルの渡し方
両面印刷の場合、渡し方は大きく2通りです。1つは1ファイルに2ページ(1ページ目=表面、2ページ目=裏面)としてまとめる方法。もう1つは表面・裏面を別ファイルにし、ファイル名に「omote」「ura」や「A面」「B面」と明示する方法です。どちらでも構いませんが、ファイル名が「最終_修正3」などでは判別できず、表裏が逆に刷られる事故につながります。「店名_A4_omote_1120.pdf」のように、案件名・サイズ・面・日付を入れるルールを社内で決めておくと確実です。
なお、入稿データに不備があると再入稿となり、その時点から納期カウントが再スタートする印刷会社が一般的です。1日の遅れが配布開始日やイベント日程に直結するため、書き出し設定の確認は数分でも惜しまないことをおすすめします。
塗り足し3mmと文字切れ|仕上がりを左右するレイアウトの約束事
チラシ印刷のデータ入稿で、形式や解像度と並んで事故が多いのがレイアウトの余白設計です。印刷物は大きな紙にまとめて刷り、束ねた状態で断裁機でカットします。この断裁には必ずわずかなズレ(一般に0.5〜1mm程度)が生じる前提があり、そのズレを吸収する仕組みが「塗り足し(ドブ)」と「文字切れ防止ライン」です。
塗り足しは仕上がりサイズの外側へ3mm
塗り足しとは、背景色や写真など断ち落としたい要素を、仕上がり線の外側へ3mmはみ出させておくことを指します。A4(210×297mm)のチラシなら、上下左右に3mmずつ加えた216×303mmがデータ全体のサイズになります。B5(182×257mm)なら188×263mm、B4(257×364mm)なら263×370mmという具合に、どのサイズでも考え方は同じです。
背景色を仕上がり線ピッタリで止めてしまうと、断裁が外側へ0.5mmずれただけで、紙の地色である白いスジが縁に出てしまいます。これは刷り直しの原因になりやすく、大量部数ほど損失が大きくなります。「白フチのデザインだから塗り足しは不要」と考えるのも誤りで、白フチを意図したデザインでも、データ上は仕上がりの外側まで白(または背景)を伸ばしておく必要があります。塗り足しの有無はデザインの見た目ではなく、断裁の物理的なズレに備えるための作業だと理解してください。
内側は3〜5mmの文字切れ防止ラインを守る
外側に塗り足しが必要なのと対になるのが、内側の安全領域です。仕上がり線から3〜5mm内側までは文字・ロゴ・電話番号・QRコードなどの重要情報を置かないようにします。ここに情報を詰めると、断裁が内側へずれた際に文字の端が欠けたり、紙の縁ギリギリで読みにくくなったりします。情報量が多いチラシほど端まで使いたくなりますが、問い合わせ先や有効期限といった反響に直結する要素こそ、余裕を持って内側に収めるのが鉄則です。
見落としやすいレイアウトの注意点
- 細い罫線・フレームを裁ち落とし付近に置かない:外周をぐるりと囲む枠線は、1mmのズレでも上下左右の太さの差が目に見えて分かるため、避けるか仕上がり線から十分内側に配置します。
- 両面の見当ズレを見込む:表裏で位置を合わせたいデザイン(表の枠と裏の枠を一致させるなど)は、わずかなズレで不揃いに見えます。ピタリと合わせる前提の設計は避け、許容範囲を見込みます。
- 折り加工がある場合:二つ折りA4仕上げ(A3二つ折り)などでは、折り位置から3mm程度内側に文字を寄せます。折り線をまたぐ文字やロゴは、折りのズレで段差が生じて読みにくくなります。
- 折った内側のページは紙の厚み分を考慮:三つ折りの巻き込み面は、他の面よりわずかに幅を狭く設計するのが一般的です。
- トンボ(トリムマーク)を付ける:仕上がり位置と塗り足し位置を示すため、PDF書き出し時にトンボと3mmの裁ち落とし設定を忘れずに。
入稿前のセルフチェックリスト
- ドキュメントサイズは仕上がりサイズどおりか(A4なら210×297mm)
- 裁ち落とし設定が上下左右3mmになっているか
- 背景・写真・ベタ面が塗り足し範囲いっぱいまで伸びているか
- 文字・ロゴ・QRコードが仕上がり線から3〜5mm以上内側にあるか
- 外周を囲む細い罫線や枠を使っていないか
- 折り加工がある場合、折り位置と各面の寸法が指示書と一致しているか
- 両面の位置合わせに依存したデザインになっていないか
- 書き出したPDFを原寸でプレビューし、端の切れを目視確認したか
サイズ設計と塗り足しの基本は、チラシ印刷データ作成のサイズ設計と塗り足し3mmの実務解説でも手順を整理しています。配布まで見据えるなら、折込サイズや配布しやすい仕上がりかどうかも早い段階で確認しておくと、印刷後の手戻りを防げます。
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解像度の基準値|写真・ロゴ・文字で変わる適正設定
チラシ印刷のデータ入稿で、形式と並んでトラブルが多いのが解像度です。画面では鮮明に見えていた写真が、刷り上がりでは輪郭がぼやけてザラついて見える——これは多くの場合、配置画像の実効解像度が不足していることが原因です。印刷物の標準は原寸配置で350dpi程度が目安で、オフセット印刷・オンデマンド印刷のいずれでも概ね300〜400dpiが実用域と考えておくと安全です。300dpiを下回ると、人物の髪や文字のエッジ、商品写真の質感といった細部から先に崩れていきます。
A4チラシに必要なピクセル数の目安
「何px必要か」は、仕上がりサイズと解像度の掛け算で決まります。A4(210×297mm)の全面に写真を敷く場合、概算は次のとおりです。
- 300dpi:約2480×3508px
- 350dpi:約2894×4093px
- 塗り足し3mmを含めるなら、上記より天地左右それぞれ数十px分の余裕を見ておく
一方、Webサイト用に書き出された画像は72dpi前後・横1000px程度ということも珍しくありません。これをA4全面に引き伸ばすと実効解像度は100dpiを切り、印刷ではっきり粗く出ます。判断に迷ったら「配置後の実効解像度(元のピクセル数÷配置した実寸インチ)」で見るのが確実です。レイアウトソフトのリンク情報パネルには実効解像度が表示されるため、入稿前に全画像を一覧でチェックしてください。
解像度まわりの実務チェックポイント
- 後から解像度だけ上げても情報量は増えない:画像編集ソフトで72dpiを350dpiに変更しても、不足した画素は補間で水増しされるだけで鮮明にはなりません。元データ(撮影データ・支給元の原本)を取り寄せるのが正解です。
- スマホ撮影の写真:近年の機種は画素数が十分あるため、圧縮前のオリジナルを使えばA4半分程度までは問題ないことが多いです。ただしSNSやメッセージアプリ経由で送られた画像は自動圧縮されるため、必ずクラウド共有などで原寸のまま受け取ります。
- スクリーンショットは原則NG:画面解像度のまま保存されるため印刷には情報量が足りません。地図やグラフは、元データから書き出すか作り直します。
- JPEGの再保存による劣化:開いて保存を繰り返すたびに圧縮ノイズが蓄積します。編集途中はPSD・TIFFなど非圧縮形式で扱い、最終書き出しのみJPEG(最高画質)にします。
- ロゴ・細い文字はベクター(パス)で配置:ロゴをJPEGやPNGで配置すると、縁のギザつきや背景の白フチが出ます。会社ロゴはAI・EPS・SVGなどのベクターデータを支給元から入手し、パスのまま配置するのが安全です。
- 罫線・細線の太さ:0.1mm未満の極細線はかすれやすく、白抜き文字は特に潰れやすいので、小さな文字はゴシック系・十分な線幅で設計します。
QRコードは「引き伸ばさない」が鉄則
来店予約や公式アカウント誘導でQRコードを載せるチラシは増えていますが、読み取り不良は反響の取りこぼしに直結します。
- QRはベクターデータ(AI・EPS・SVG)で生成し、画像を拡大して使い回さない。やむを得ずビットマップを使う場合は原寸で600dpi以上を目安にする。
- 最小サイズは一般に15mm角程度が目安。情報量(URLが長い)ほどセルが細かくなるため、長いURLは短縮して余裕を持たせる。
- コードの四隅にクワイエットゾーン(余白)をセル4つ分程度確保する。写真や文字を近づけすぎない。
- 色反転(背景が濃く、コードが白抜き)や薄い色づかいは読み取り精度が落ちやすい。白地に濃色が基本。
- 入稿前に、印刷見本または出力紙で実機スキャンし、複数の端末で読み取りテストを行う。
解像度の確認は、チラシ印刷の校正・色校正の工程とあわせて行うと見落としが減ります。大量部数を刷ってから気づくと刷り直しのコストと納期ロスが発生するため、データ段階で画像の実効解像度を一つずつ潰しておくことが、結果的にいちばん確実で安く済む進め方です。
RGBとCMYKの色の違い・黒ベタ・文字のアウトライン化
入稿データで最も「仕上がりが思っていたのと違う」となりやすいのが色の問題です。これは印刷所がミスをしたというより、モニタと印刷で色を作る仕組みが異なることに原因があります。仕組みを理解したうえでデータを作れば、想定とのズレは大きく減らせます。
RGBとCMYKは「再現できる色の範囲」が違う
モニタはRGB(光の三原色)で発光して色を表現し、印刷はCMYK(シアン・マゼンタ・イエロー・ブラック)のインキを紙に乗せて表現します。RGBのほうが再現できる色の範囲(色域)が広いため、RGBでしか表現できない色はCMYKに変換した時点で最も近い色に置き換えられます。特に鮮やかな青、ビビッドな緑、蛍光色、ネオン系のピンクは、画面よりもくすんで沈んだ印象になりやすい代表格です。これは「色が変わってしまった」のではなく、インキで再現できる範囲に収まった結果だと理解しておくと、判断がぶれません。
実務上の手順はシンプルです。入稿前に必ずCMYKへ変換し、変換後の状態で色を確認してから最終判断します。特に赤(セールの訴求色)、人物の肌色、コーポレートカラーの3点は要チェックです。赤はM100+Y100など数値で管理する、肌色は変換後に黄みや赤みが強くなっていないか見る、コーポレートカラーは企業のブランド規定にCMYK値の指定があればそれを優先する、という進め方が確実です。どうしても色の厳密な一致が必要な場合は、実際の印刷機・用紙で出力する色校正を検討します。色校正は別途費用と数日程度の納期が必要になるのが一般的な目安で、仕様や印刷会社により変わります。詳しい進め方はチラシ印刷の校正・色校正の手順もあわせてご確認ください。
黒の指定|K100とリッチブラックの使い分け
- 細い文字・小さい文字はK100(スミ1色):4色を重ねると、わずかな版ズレで文字の輪郭に色のフチが出てぼやけて見えます。本文や注釈、電話番号などはK100が安全です。
- 広い面積の黒ベタはリッチブラック:K100だけの大きな面はやや薄く見えるため、CMYを少量足して深みを出す指定が一般的です。ただしインキの総量には上限(用紙や印刷方式により目安が異なります)があり、超えると乾燥不良や裏写りの原因になるため、印刷会社の指定値に従います。
- 写真上に黒文字を置く場合:背景とのコントラストを確保し、文字はK100のままにしておくと読みやすさを保てます。
フォントのアウトライン化と、最終確認の項目
アウトライン化とは、文字情報を図形(パス)に変換する処理です。印刷会社の環境に同じフォントが無くても、意図した書体・字形のまま出力できるようにするのが目的です。PDF入稿でフォントを埋め込む方式でも、心配な場合はアウトライン化しておくと安全度が上がります。
- アウトライン後は文字の修正ができないため、編集用データ(アウトライン前)を必ず別名で保存し、修正はそちらで行う運用にする。
- アウトライン化の漏れがないか、全レイヤー・全アートボードのロックや非表示を解除してから一括で処理し、検索機能で未処理の文字が残っていないか確認する。
- 特色(DIC・PANTONEなど)が残っていないか、スウォッチ一覧を開いて確認する。CMYK4色印刷なのに特色が残っていると、意図しない版が生成される場合がある。
- オーバープリント(重ね刷り)の設定を確認する。白オブジェクトにオーバープリントが掛かっていると、印刷時に消えてしまうことがある。
- 不要な隠しオブジェクト、裁ち落とし外の作業用メモ、未使用スウォッチを削除してから書き出す。
これらは出力プレビュー機能で分版表示にすると視覚的に確認できます。色と黒とフォントの3点を押さえておけば、仕上がりの事故はかなり防げます。
かんたん診断入稿データの準備、次に進めるべきは?30秒でチェック ▲
🧮 サイズ・エリア・枚数を選ぶだけで、配布費用の参考見積もりがすぐ出せます →
まとめ|入稿前チェックリストと、印刷から配布までの相談先
チラシ印刷のデータ入稿は、形式・解像度・色設定という三つの軸さえ押さえれば、トラブルの大半は未然に防げます。最後に、本文で解説した項目を発注前の最終チェックリストとして整理します。制作会社から受け取ったデータをそのまま転送する場合でも、販促担当者がこの10項目を目視確認しておくだけで、差し戻しのリスクは大きく下がります。
入稿前の最終チェックリスト10項目
- 仕様とサイズの一致:見積り時のサイズ(A4・B4など)、ページ数、両面/片面がデータと合っているか
- PDF/X形式で書き出し:PDF/X-1aまたはPDF/X-4など、印刷会社の指定形式で保存されているか
- 塗り足し3mm:仕上がり線の外側まで背景や写真が伸びているか
- 文字は内側3〜5mm:仕上がり線ギリギリに文字や電話番号を置いていないか
- 原寸350dpi目安:配置した写真を原寸換算で確認し、極端な拡大をしていないか
- CMYK変換済み:RGB画像やRGB指定の色が残っていないか
- 黒ベタ・K100の使い分け:小さな文字はK100、広い面のベタはリッチブラックなど意図どおりか
- フォントのアウトライン化または埋め込み:未埋め込みフォントが残っていないか
- 表裏のファイル名を明示:「_omote」「_ura」など誰が見ても判別できる命名か
- パスワード・注釈なし:セキュリティ設定やコメントが付いたまま送っていないか
入稿締切は「配布開始日」から逆算する
データに不備があると、印刷会社からの差し戻し→修正→再入稿という往復が発生し、1〜3営業日程度のずれが生じることがあります。チラシは配布日が決まっている販促物ですから、印刷日数と納品・配布準備の日数を足したうえで、さらに修正の予備日を2日ほど見込んだ入稿締切を自社で設定しておくと安全です。特に連休前やセール期は印刷会社も混み合うため、期日を外さない逆算スケジュールの組み方もあわせて確認しておくと、進行管理がぶれにくくなります。
費用はあくまで目安、仕様変更時は再見積りを
印刷費用は用紙の種類と厚み、部数、納期(通常便か特急便か)、折りなどの加工の有無で変わります。公開されている金額や過去の発注実績はあくまで目安としてとらえ、エリア・枚数・時期によって変動する前提で予算を組んでください。入稿後にサイズ変更や用紙変更、部数の増減が生じた場合は、原則として再見積りとなります。仕様は入稿前に社内で確定させておくことが、コストと納期の両方を守る近道です。
印刷のみの発注も、配布まで一括も対応します
当社は、すでにデータをお持ちの企業様からの印刷のみのご依頼にも対応しています。A4両面カラー1万〜3万枚といったロットを得意としており、データの形式や解像度に不安がある段階でも、入稿前に内容を拝見したうえでご相談いただけます。さらに、印刷からGPS報告付きのポスティング配布までワンストップでお任せいただければ、印刷会社と配布会社の間の納品調整も不要になり、配布開始日からの逆算もシンプルになります。追加料金のない明朗会計で、配布エリアの設計からご提案します。
データのチェックだけでも、部数と納期のご相談だけでも構いません。無料査定・法人向けお見積りを承っていますので、お問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。仕様と配布希望日をお伝えいただければ、印刷から配布までの最適なスケジュールと費用の目安をご案内します。
ポスティングを依頼する前に
よくある質問(FAQ)

