大量部数のチラシ印刷では、塗り足し3mm・解像度・CMYK変換・フォントのアウトライン化の4点が不備の主因です。印刷会社では日付や電話番号など内容の誤りは検知できないため、発注側での校正が前提となります。
この記事でわかること
- 大量部数で入稿不備が起きたときのやり直し工程と時間の損失
- A4は216×303mmなど、サイズ別の塗り足し込み寸法の考え方
- 文字やロゴは内側3〜5mmに逃がす安全マージンの取り方
- 印刷会社では気づけない誤りと、社内で決めておく校正ルール
チラシ印刷を1万枚、3万枚と大量部数で発注するとき、最も大きなリスクは「刷り上がってから気づくデータの不備」です。100枚なら刷り直しても痛手は小さいですが、1万枚を超える部数では紙代・インク代・時間のすべてが無駄になり、キャンペーンの開始日そのものが後ろにずれてしまいます。しかも入稿データの不備は、デザインの良し悪しとは別の、ごく機械的な設定ミスで起きることがほとんどです。塗り足しが足りない、画像の解像度が低い、RGBのまま入稿した、フォントがアウトライン化されていない——原因の多くはこの4つに集約されます。
本記事では、1万枚以上のチラシ印刷を外注する販促担当者に向けて、入稿データの注意点を実務手順レベルで整理します。入稿前のチェックリスト、よくある不備事例とその結果どうなるか、PDF入稿の正しい書き出し設定、そして印刷のみを外注する場合の発注フローや価格が変動する要因まで解説します。なお当社ではポスティングを伴わない印刷のみのご依頼にも対応しており、A4両面カラー1万〜3万枚のロットを得意としています。配布まで一括でも、印刷だけでも、まずはデータの作り方から押さえていきましょう。
大量部数のチラシ印刷で入稿データの不備が致命傷になる理由
チラシ印刷の入稿データで最も怖いのは、ミスそのものよりも「ミスが全部数に均一に複製される」ことです。100枚のテスト印刷なら刷り直しても痛手は小さく済みますが、1万枚・3万枚といった大量部数では、同じ誤りが一枚残らず刷り込まれます。小ロットと大量部数ではリスクの構造がまったく違う、という前提から押さえておきましょう。
刷り直しは「印刷代をもう一度払う」だけでは終わらない
納品後に色味の違い・文字切れ・解像度不足が見つかった場合、発生するのは紙代とインク代だけではありません。データ処理(RIP)や刷版の作り直し、印刷機のセットアップ、断裁・梱包・再配送まで、工程がまるごとやり直しになります。A4両面カラー1万枚クラスであれば、再印刷費は条件次第で数万円規模になることも珍しくありません(金額はあくまで目安で、用紙・加工・納期・時期により大きく変動します)。
さらに重いのが時間の損失です。再入稿から納品までに数営業日かかれば、折込やポスティングの配布日も後ろにずれ、セール初日・開校説明会・内覧会といった動かせない日程に間に合わなくなります。チラシ印刷の納期は特急対応で短縮できる場合もありますが、割増費用がかかるうえ、繁忙期は枠自体が取れないこともあります。キャンペーンの機会損失まで含めれば、刷り直しの実質コストは印刷費の何倍にもなり得ます。
印刷は一度回り始めたら止められない工程
オフセット印刷は、刷版を作り、機械を立ち上げ、色を合わせてから本刷りに入ります。走り出した後に止めても、すでに消費した紙・インク・版・段取り時間は戻りません。「途中で気づいたから半分で済む」とはならないのが印刷の実務です。大量部数では用紙の銘柄やロットを揃えて発注するため、仕上がりの均一性が高いというメリットがある反面、裏を返せば不備も全数に均一に現れます。
印刷会社のデータチェックには限界がある
入稿後、印刷会社側では塗り足しの有無、解像度、カラーモード、フォントの埋め込みといった「データとしての不備」は確認してくれます。しかし、次のような内容のミスは印刷会社では検知できません。
- 電話番号の数字違い、市外局番の誤り
- 開催日・曜日のズレ(「10月5日(土)」が実際は日曜など)
- 価格の桁違い、税込/税別表記の抜け
- 住所・最寄り駅・地図上の位置の誤り
- 旧ロゴ・旧店名・前回キャンペーンの文言の残り
これらは発注側でしか気づけません。つまり校正責任は、実質的に販促担当の側にあると考えるべきです。
社内で決めておきたい校正ルール
- 二人以上の目視校正:制作担当とは別の人間が、必ず別の時間帯に読む。慣れた目は誤字を飛ばします。
- 印刷用PDFを実寸で出力して確認:画面ではなく紙で見る。文字の小ささ、余白、裁ち落とし位置の違和感はここで出ます。
- 電話番号は実際にかける/URL・QRはアクセスする:リンク切れや転送設定ミスは実機確認でしか見つかりません。
- 地図は現地基準で確認:ピンの位置、一方通行、駐車場の入口まで見る。
- 最終承認者を一人決める:「誰が見たか分からない」状態をなくします。
この一連の確認にかかる時間は、おおむね30分〜1時間程度です。対して刷り直しは、費用に加えて数日の遅延と社内説明の手間までついてきます。どちらが安いかは比べるまでもありません。大量部数の入稿ほど、最後の1時間を惜しまないことが最大のコスト削減策になります。
チラシ印刷と配布、次に進める一手は?
入稿データの準備状況から、見積りと配布の進め方を提案します(約30秒)
質問 1 / 3
印刷の発注はどの段階ですか?
当てはまる方を選んでください
質問 2 / 3
配るエリアと部数の見当は?
当てはまる方を選んでください
質問 3 / 3
配布は今回だけ?それとも継続?
当てはまる方を選んでください
診断結果:サイズと部数から配布費用の目安を比べるのがおすすめです
チラシのサイズ、配りたいエリアの範囲、想定する部数を決めると、配布費用の目安を比較しやすくなります。印刷だけを外注するか、印刷から配布まで一括で任せるかでも進め方が変わります。あわせて塗り足しや解像度などの入稿条件、サイズ別テンプレートの有無も確認しておくと、見積り後の手戻りを抑えやすくなります。
診断結果:エリアと部数を伝えて見積りと配布プランの相談がおすすめです
配布したい町丁目と部数、配布を始めたい時期をお知らせいただくと、具体的なお見積りと配布プランをご相談できます。印刷から配布まで一括でも、印刷のみでも対応しています。入稿データは塗り足しや解像度、CMYK変換、フォントのアウトライン化を確認し、日付や電話番号の校正担当も社内で決めておくと、配布日の遅れを防ぎやすくなります。
塗り足し3mm・文字切れ防止マージン|仕上がりサイズ設計の基本
チラシのデータは「トンボ(トリムマーク)」「仕上がり線」「塗り足し(ドブ)」という3層構造で考えます。仕上がり線が実際にカットされる位置、その外側3mmが塗り足し、さらに外側に断裁位置を示すトンボが入る——この関係を理解していれば、入稿データの寸法ミスはほぼ防げます。
A4なら216×303mmで設計する
A4の仕上がりサイズは210×297mm。上下左右に3mmずつ塗り足しを足すため、背景や写真は216×303mmまで伸ばして作ります。主なサイズの塗り足し込み寸法は次の通りです。
- A4:210×297mm → 216×303mm
- A3:297×420mm → 303×426mm
- B5:182×257mm → 188×263mm
- B4:257×364mm → 263×370mm
- 長3(DM・封入用):120×235mm → 126×241mm
なぜ塗り足しが必要か|断裁は必ずズレる
印刷後の断裁は、数百枚単位で紙を重ねて刃を下ろします。紙の厚みや湿度、刃の入り方により0.5〜2mm程度のズレが生じるのが一般的です。背景色や写真を仕上がり線ギリギリで止めていると、刃が内側に入った分だけ紙の白地が細く残り、いわゆる「白フチ」が発生します。1万枚単位の大量部数では一部ではなく全ロットに同じ症状が出るため、刷り直しの損害も大きくなります。
文字・ロゴは内側に3〜5mmの安全マージン
逆に、切れては困る要素は仕上がり線より内側に逃がします。
- 本文・電話番号・QRコードは仕上がり線から最低3mm、推奨5mm内側
- ロゴや店舗名など重要度の高い要素はさらに余裕を持たせる
- QRコードは周囲の白い余白(クワイエットゾーン)も確保する
フチあり(枠線)デザインは大量部数では要注意
外周に細い枠線を回すデザインは、断裁が1mmずれただけで「上は太く下は細い」と左右非対称に見え、ズレが一目で分かってしまいます。どうしても枠を使う場合は、線を5mm以上の太さにする、枠を仕上がり線から10mm以上内側に入れる、といった逃げを作ると目立ちにくくなります。
折り加工がある場合の設計
二つ折り・巻き三つ折りを入れるなら、折り位置の近くに文字を置かないのが鉄則です。折り線から5mm程度は文字を避け、ノド側(内側に来る折り部分)の余白はやや広めに取ります。巻き三つ折りでは内側に巻き込まれる面を1〜2mm短く設計しないと、折ったときに紙が飛び出したり膨らんだりします。A4巻き三つ折りなら「99mm/100mm/98mm」のように面ごとに幅を変えるのが実務的な作り方です。
Illustrator・PDF書き出しのチェック箇所
- アートボードを仕上がりサイズ(A4なら210×297mm)で作成する
- ドキュメント設定の「裁ち落とし」を上下左右3mmに設定
- 背景・写真は裁ち落とし線まで確実に伸ばす
- PDF書き出し時に「トンボと裁ち落とし」タブで「ドキュメントの裁ち落とし設定を使用」にチェック
- 書き出したPDFを開き、塗り足しが3mm分入っているか目視確認
最も確実なのは、依頼先からサイズ別のテンプレートを取り寄せ、その上にデザインを載せる方法です。塗り足し・仕上がり線・安全マージンがあらかじめレイヤーで用意されているため、寸法の計算違いが起こりません。印刷だけを外注する場合の業者選びや入稿の進め方とあわせて、発注前にテンプレートの有無を確認しておくと安心です。
解像度350dpi・画像配置の落とし穴|Web用素材をそのまま使うと起きること
大量部数の印刷で最も「刷り上がってから気づく」失敗が、画像の解像度不足です。1万枚・3万枚と刷った後では差し替えが効かず、費用も納期もまるごと無駄になります。入稿前に数字で確認する習慣をつけましょう。
印刷に必要な解像度の基準
- カラー写真・グラデーション:原寸(実際に印刷されるサイズ)で300〜350dpi
- モノクロ2階調の線画・細い罫線入りのロゴ:600〜1200dpi
- Web用に書き出された画像:72〜150dpi想定。印刷ではこのままでは足りない
重要なのは「原寸で」という条件です。同じ画像でも配置サイズを2倍に拡大すれば解像度は半分になります。チラシ上の実寸に合わせて計算し直してください。
ピクセル数から必要解像度を計算する
計算式は ピクセル数 ÷(配置する幅mm ÷ 25.4)= dpi です。A4全面(210×297mm)に350dpiで敷くなら、約2894×4093ピクセルの画像が必要になります。A4の1/4サイズ(約105×74mm)に収めるなら約1447×1020ピクセルで足ります。スマホで撮影した写真は4000ピクセル級のことも多く、全面使用でも足りる場合がありますが、トリミングして一部だけ使うと有効ピクセル数が激減するため、切り抜き後のサイズで必ず再計算します。
そのまま使ってはいけない素材
- フリー素材サイトのサムネイル画像:一覧表示用の小さいデータ。必ずダウンロード版の最大サイズを使う
- LINEやメールで送られてきた写真:送信時に自動圧縮され、画素数もJPEG品質も落ちている。原本をクラウド等で受け取る
- PowerPointやWordに貼った画像の再利用:ファイル保存時に圧縮されることがあり、取り出しても元画質には戻らない
- Webページから右クリック保存した画像:解像度不足に加え権利面のリスクもある
Illustrator入稿で起きるリンク切れ事故
配置画像を「リンク」のまま.aiファイルだけ送ると、印刷会社側で画像が抜ける、または低解像度プレビューのまま出力される典型的な事故が起きます。対策は2つです。
- 画像を埋め込む:ファイルは重くなるが抜けない。部数が多い案件では安全側の選択
- リンク画像をフォルダごと同梱する:元データを後で修正したい場合に有利。リンク一覧で「不明」が無いか確認してから圧縮する
またPhotoshopのドロップシャドウやぼかしなどの効果は、ドキュメントの解像度設定に従ってラスタライズされるため、作業ファイル自体を350dpiで作ることが前提になります。JPEGは保存するたびに再圧縮されて劣化するので、編集中はPSDやTIFFで保持し、最終書き出しのみJPEG(高品質)にします。PNGの透過は印刷工程で白背景化されることがあるため、背景の扱いを事前に確定させておきましょう。
入稿直前のチェック方法
- 画面表示を400%に拡大し、写真の輪郭と小さい文字がぼやけていないか目視する
- 配置画像のカラーモードと実効解像度(配置後のdpi)をリンク情報パネルで確認する
- ロゴは可能な限りベクターデータ(ai/eps/pdf)を取り寄せ、ビットマップの拡大を避ける
- 最終PDFを原寸印刷し、手元のプリンタ出力で粗さを確認する
解像度トラブルは再入稿で納期が1〜2日ずれる原因にもなります。入稿から納品までの日数に余裕を持たせ、画像チェックの時間を工程に組み込んでおくと安心です。
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CMYK変換と色再現|モニターで見た色が刷り上がりで変わる仕組み
「画面で見ていた色と、刷り上がったチラシの色が違う」——大量部数の印刷で最も多いクレームのひとつです。これはトラブルというより、モニターと印刷の色の作り方そのものが違うことによる必然です。1万枚刷ってから気づいても刷り直しは現実的ではないため、入稿データの段階で前提を理解しておく必要があります。
RGBとCMYKは「色の出せる範囲」が違う
モニターはR(赤)G(緑)B(青)の光を重ねて色を出すため、光の強さで鮮やかな色を表現できます。一方、印刷はC(シアン)M(マゼンタ)Y(イエロー)K(ブラック)のインクを紙に乗せる方式で、インクが重なるほど暗くなります。結果として、RGBで表現できてもCMYKでは再現できない色域が存在します。
- 蛍光系のピンク・オレンジ:くすんだ色味に沈みやすい
- ビビッドな青緑(エメラルドグリーン系):濁った印象になりやすい
- 鮮やかな紫・青紫:赤みが落ちて暗く見えやすい
これらは「印刷ではくすむ前提」でデザインするのが実務的な対応です。どうしても鮮やかさを出したい場合は、蛍光インクや特色の対応可否を印刷会社に事前確認します(対応は会社・機械により異なります)。
RGBのまま入稿するリスク
RGBデータをそのまま入稿すると、印刷会社側のシステムで自動的にCMYKへ変換されます。変換のルールは会社ごとに異なるため、自分で変換結果を確認していない=意図しない色で刷り上がる可能性があるということになります。IllustratorやPhotoshopでは、新規作成時にドキュメントのカラーモードをCMYKに設定し、制作の初期段階から印刷の色で作業するのが安全です。カラープロファイルはJapan Color 2001 Coatedなどが広く使われていますが、推奨設定は印刷会社によって違うため、必ず発注先の入稿ガイドに従ってください。
リッチブラックとスミベタの使い分け
黒の扱いもミスが起きやすいポイントです。
- 小さい文字・細い線:K100%(スミベタ)が基本。リッチブラック(CMYを重ねた黒)にすると、わずかな版ズレで輪郭に色が滲んで見え、可読性が落ちます。
- 広い面積のベタ背景:K100%のみだと薄い灰色がかって見えることがあり、CMYを少量加えたリッチブラックが適する場合があります。配合値は印刷会社の推奨に合わせます。
総インキ量とオーバープリントの事故
CMYK各版の合計値(TAC値)が高すぎるとインキが乾かず、裏移りや汚れの原因になります。一般的には合計300〜320%程度を上限の目安とする印刷会社が多く、暗い写真や濃い背景を使う場合は確認しておくと安心です。
もう一つの典型ミスがオーバープリント設定による白文字の消失です。白のオブジェクトにオーバープリントが設定されていると、下の色に重ねて印刷される扱いとなり、刷り上がりで白文字が見えなくなることがあります。入稿前にIllustratorの「オーバープリントプレビュー」で表示を切り替え、白オブジェクトに設定が残っていないか確認しましょう。
色校正と用紙による発色差
色校正には、インクジェット等で簡易的に色を確認する簡易色校正と、本番と同じ用紙・印刷機で出す本紙校正があります。費用と日数はかかりますが、コーポレートカラーの再現が重要な場合や、料理・商品の写真が主役のチラシでは、1万枚以上の部数であれば検討する価値があります。刷り直しのコストと比べれば、校正費は保険として割安になるケースが少なくありません。
また、同じデータでも用紙で見え方は変わります。コート紙は光沢があり発色が鮮やかに出やすく、マットコート紙は落ち着いた上品な色味、上質紙はインキが紙に沈むため全体にやわらかくくすんだ印象になります。用紙の選び方や単価への影響はチラシ印刷だけ依頼する際の用紙・入稿の決め方もあわせて確認し、デザインの狙いと紙を合わせて選定してください。
フォントのアウトライン化とPDF入稿|形式別の正しい書き出し手順
大量部数の印刷事故で最も多い原因のひとつが「フォントの置き換わり」です。制作したパソコンに入っているフォントが印刷会社側の環境にない場合、開いた瞬間に別の書体へ自動置換され、文字幅が変わってレイアウトが崩れます。行があふれて枠からはみ出す、電話番号が詰まって読めない、キャッチコピーが2行から3行になって写真に重なる——1万枚刷った後に気づいても刷り直しになり、費用も納期も倍増します。入稿前のフォント処理は、部数が多いほど重要度が上がる工程です。
Illustrator入稿はアウトライン化が基本
Illustratorで制作した場合は「すべてのテキストをアウトライン化」が原則です。文字を図形(パス)に変換するため、どの環境で開いても形が変わりません。ただしアウトライン化後は文字の修正ができなくなるので、必ず編集用の原本を別名保存し、「〇〇_編集用.ai」「〇〇_入稿用.ai」と役割を分けて残す運用にします。
- ロックされたレイヤー・非表示レイヤーのテキストは選択されず取りこぼしやすい。全レイヤーのロック解除・表示にしてから実行する
- チェック方法は「書類情報」→「フォント」欄が空になっているかを確認。空なら未アウトラインのテキストはない
- 細い線や袋文字(文字の縁取り)は、アウトライン化で線の見え方が変わることがある。線幅は事前に確定させ、必要なら線をパスに分割して塗りに変換する
- 白ヌキ文字や極細明朝は、大量部数のオフセット印刷でかすれやすいため、太さと背景のコントラストを見直す
PDF入稿の推奨設定
PDF入稿は環境差の影響を受けにくく、現在の主流です。書き出し時は次の点を押さえます。
- 規格はPDF/X-1a(透明を分割・統合済みで安全)またはPDF/X-4(透明をそのまま保持)。印刷会社の指定に従う
- フォントはすべて埋め込む。ライセンス上埋め込めない書体は事前にアウトライン化しておく
- トンボ(トリムマーク)を付け、裁ち落とし3mmを含めて書き出す
- 画像のダウンサンプリングは過度に圧縮しない。原則「圧縮なし」か高品質設定
- カラーはCMYK、特色(DICやPANTONE)を使っていないか確認。意図せず残っていると版数が増え追加費用の原因になる
Word・PowerPoint・Canvaからの入稿
受け付けている印刷会社もありますが、RGBカラーのまま、塗り足しなし、フォントが環境依存、用紙サイズが微妙にずれる、といった問題が起きやすく、仕上がりの再現性を保証しにくいのが実情です。やむを得ず使う場合は、ページ設定を実寸+塗り足し込みにし、PDFで書き出したうえで、印刷会社に色味とレイアウトの事前確認(PDFプルーフ)を依頼してください。1万枚以上の案件なら、データ制作から任せられる業者に印刷のみを外注する際の進め方を相談したほうが安全です。
入稿ファイルの整理と版管理
- 不要レイヤー・非表示オブジェクト・トンボ以外のガイド・孤立点(空のテキストポイント)を削除する
- ファイル名はローマ字で「店名_A4_omote_v2.pdf」「店名_A4_ura_v2.pdf」のように、サイズ・表裏・版数がひと目でわかる形に
- 「最終_最終_修正版」のような名前は取り違えのもと。v1・v2と連番にし、送付時に「v2が最新、v1は破棄してください」と明記する
- 容量が大きい場合はファイル転送サービスを利用し、ダウンロード期限と受領確認を必ずやり取りに残す
🧮 サイズ・エリア・枚数を選ぶだけで、配布費用の参考見積もりがすぐ出せます →
印刷のみの外注フローと見積り|部数・用紙・納期で価格はどう変わるか
ポスティングを伴わない「印刷のみ」の発注でも、工程の流れを把握しておくと納期トラブルを防げます。一般的なフローと目安日数は次のとおりです(部数・加工により前後します)。
- 仕様確定(サイズ・部数・用紙・色数):半日〜1日
- 見積り提示:当日〜1営業日
- データ入稿:発注者側の作業
- データチェック:半日〜1営業日(塗り足し・解像度・フォント・CMYK)
- 色校正(任意):2〜4営業日+確認時間
- 印刷・断裁・加工:2〜4営業日(1万〜3万枚の場合の目安)
- 梱包・納品:出荷後1〜2日(遠方・離島は追加)
注意したいのは、データ不備が見つかった時点で納期カウントがリセットされやすい点です。入稿日が締切の基準ではなく、「データOKが出た日」が基準になる業者が多く、修正と再入稿で丸1〜2日ずれることも珍しくありません。大量部数ほど印刷機の枠取りが必要なため、1日の遅れが数日の後ろ倒しにつながる場合もあります。詳しい日数感はチラシ印刷の納期と短納期のコツも参考にしてください。
見積り依頼時に伝えるべき6項目
- 仕上がりサイズ(A4/B5/A5など)
- 部数(1万枚、3万枚など。追加の可能性も伝える)
- 用紙の種類と斤量(コート90kg、マットコート110kgなど)
- 片面・両面と色数(両面4色=フルカラーが標準)
- 加工の有無(折り、PP貼り、ミシン目、ナンバリング)
- 希望納品日と納品先(分割納品の有無・階上げの可否)
この6項目が揃っていない見積りは比較できません。特に用紙と色数が未確定のまま概算だけ取ると、本見積りで金額が動きます。
価格が変わる主な要因
- 部数:製版や機械の立ち上げ費用は固定的なため、大量部数ほど1枚あたり単価は下がりやすい傾向です。5千枚と3万枚では単価差が大きく出ます。
- 用紙:コート紙は発色が良くチラシの標準、マットコートは落ち着いた質感、上質紙は書き込み向き。斤量が上がる(90kg→110kg)ほど紙代と送料が増えます。
- 色数:両面4色が一般的。片面1色にすれば下がりますが、集客用チラシでは訴求力とのバランスで判断します。
- 納期:特急対応は割高になりやすく、通常進行なら抑えられます。
- 加工:折り・PP・ミシン目は工程追加分のコストと日数が加算されます。
- 納品先の分割:複数拠点への分納は送料・梱包費が増えます。
価格はエリア・枚数・時期・用紙で変動するため、目安レンジを参考にしつつ必ず実際の見積りで確認してください。
納品後の保管場所も先に確保する
見落としがちなのが置き場所です。A4コート90kgのチラシは1万枚でおよそ40〜50kg、段ボール5箱前後になるのが目安です。3万枚なら十数箱。事務所の床荷重や搬入経路、エレベーターの有無、湿気の少ない保管場所を事前に確認しておきましょう。配布まで日が空くなら、分納や直送の相談も有効です。
当社はポスティングを伴わない印刷のみの対応も承っており、A4両面カラー1万〜3万枚のロットを得意としています。デザイン・印刷・配布まで社内でつながっているため、工程間のデータ受け渡しロスや確認待ちが少なく、仕様変更にも動きやすい体制です。部数や用紙が決まっていない段階でも、用途を伺えば候補をご提案します。
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まとめ|入稿前チェックリストと、印刷のみ・配布込みのご相談先
1万枚、3万枚といった大量部数のチラシ印刷では、入稿データのわずかな不備が、そのまま数万枚分の刷り直しと数日の納期遅延に直結します。逆に言えば、入稿前の30分の確認作業が、最も費用対効果の高い品質管理です。本文で解説した要点を、最終チェックリストとして整理します。
入稿前チェックリスト7項目
- 塗り足し3mm・文字マージン:仕上がりサイズの外側に3mmの塗り足しを作り、文字やロゴは仕上がり線の内側3〜5mmに収める。断裁のズレで端の文字が切れる事故を防ぐ。
- 画像は原寸350dpi・リンク切れなし:配置画像を原寸換算で350dpi確保しているか確認し、Web用に書き出した72dpiの素材を拡大使用していないかを点検。リンク画像は必ず収集・埋め込みを行う。
- CMYK変換済み・白文字のオーバープリント解除:RGB画像が残っていないかをチェックし、白文字や白オブジェクトにオーバープリントが設定されていないか(消えて印刷される原因)を確認する。
- フォントはアウトライン化またはPDF埋め込み:アウトライン化後は文字修正ができないため、編集用の元データを別名で必ず残しておく。
- PDF/X形式・トンボ付き:印刷会社指定の書き出しプリセットに従い、トンボと塗り足しを含めて書き出す。ページ順・面付け指定の有無も確認。
- 文字校正は複数人で:電話番号、開催日・曜日、価格と税表記、URL・QRコードの遷移先、住所と地図。特に日付と電話番号は、作った本人以外の目で、声に出して読み合わせる。QRは実機で読み取りテストまで行う。
- 実寸プリントで最終確認:等倍で紙に出力し、文字サイズの可読性、余白のバランス、断裁位置を物理的に確かめる。画面上では気づかない違和感が必ず出てきます。
仕様が固まっていない段階でもご相談いただけます
「A4かB5か決めきれない」「用紙の厚みと納期で迷っている」といった段階でも問題ありません。部数・用紙・納期の条件を伺えば、チラシ印刷だけの依頼としてのお見積りも、印刷+ポスティングの一括依頼としてのお見積りも、どちらもご案内できます。
一括でご依頼いただく場合、刷り上がったチラシを自社に納品して保管し、配布業者へ再発送するという手間が不要になります。印刷から配布までの工程が一本化されるため、納期の段取りもシンプルになり、配布後はGPSによる配布報告で「いつ・どのエリアを回ったか」まで確認いただけます。社内報告用の資料としてもそのままご活用いただけます。
料金はエリア・枚数・用紙・時期によって変動しますので、あくまで目安としてご確認ください。無料査定・法人向けのお見積りは随時受け付けております。ご検討中のデータをお送りいただければ、入稿データのチェックポイントの確認からご相談いただけますので、お気軽にお問い合わせください。
ポスティングを依頼する前に
よくある質問(FAQ)
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