チラシの年間予算は売上目標からの逆算で組みます。必要獲得件数÷想定反響率で配布枚数を出し、枚数×配布単価+印刷費で費用を算出、季節波に応じて月別・四半期別に配分する流れが基本の手順とされています。
この記事でわかること
- 売上目標から配布枚数・費用を逆算する基本手順
- 商圏世帯数の調べ方と業態別の商圏半径の目安
- 軒並み・集合住宅集中・エリア指定の向き不向き
- 実配布可能数は世帯数より少なく見積もる考え方
来期の販促予算を組む時期になると、「チラシ配布にいくら充てるべきか」「社内でどう説明すれば承認が下りるのか」で手が止まる方は少なくありません。Web広告のように管理画面で数値が自動集計されるわけではないため、根拠を示しにくいと感じられがちです。しかし実際には、商圏世帯数・配布単価・想定反響率という3つの変数を押さえれば、年間の配布回数・枚数・費用は十分に逆算でき、稟議書に載せられるレベルの試算表まで落とし込めます。
この記事では、来期予算を組む中小企業の経営者・販促責任者に向けて、チラシ配布の年間予算を立案する具体的な手順と、社内説明で使える根拠の揃え方を解説します。反響率や単価はあくまで目安であり、エリア・枚数・時期・業種によって変動するため、本文では必ず「幅」で示します。季節波や業種別の繁忙期を踏まえた配分の考え方、配布報告書を実施証跡として扱う方法まで、実務に沿って整理していきます。
チラシ配布の年間販促予算はなぜ「逆算」で組むべきか
来期の販促予算を組むとき、「前年と同じくらい」「他の費目が確定してから余った分をチラシに」という決め方をしていないでしょうか。この積み上げ型・余剰型の決め方には、три つの弱点があります。第一に、目標とのつながりが説明できないため、社内で削られたときに反論の根拠がありません。第二に、配布の時期や枚数が場当たりになり、繁忙期を外した配布にコストを使ってしまいます。第三に、単発発注の繰り返しになるため、枚数がまとまらず単価面でも不利になります。
逆算思考の全体像
年間予算は「目標」から遡って組み立てます。基本の流れは次の通りです。
- 来期の売上目標から、チラシ経由で獲得したい新規客数(必要獲得件数)を決める
- 必要獲得件数 ÷ 想定反響率 = 必要配布枚数
- 必要配布枚数 × 配布単価(+印刷・デザイン費)= 必要費用
- 必要費用を年間の回数・季節波に配分し、月別・四半期別の予算表に落とす
たとえば「チラシ経由で年間120件の新規を獲得したい」「想定反響率0.05%(1万枚で5件)」なら、必要配布枚数は約24万枚。ここに配布単価と印刷費の目安を掛ければ、年間の概算費用が出ます。反響率も単価もあくまで目安であり、業種・エリア・時期・チラシの内容によって大きく変動します。だからこそ後述するように「幅」で試算し、上振れ・下振れの両方を見積もっておくことが重要です。
Web広告とは違う、ポスティングの特性を前提にする
- 商圏を面で押さえられる:来店型ビジネスでは、半径2km圏の全世帯に届けるといった「面の制圧」ができます。入札単価の高騰に左右されにくい点も利点です。
- 同一エリアに繰り返し接触できる:同じエリアに期間を空けて複数回配布することで、認知が積み上がります。年間計画にする意味はここにあります。
- 紙は保存性がある:冷蔵庫に貼る、引き出しに入れるなど、必要になったタイミングで思い出してもらえます。
- 即時に効果計測しにくい:クリック単位で追えるWeb広告と違い、専用クーポンや電話番号、QRコードなどを仕込まない限り反響の出所が曖昧になります。
即時計測が難しいからこそ、配布前の試算設計と、配布後の検証設計をセットで組んでおく必要があります。デジタル広告の単価高騰を受けた予算配分の見直しと合わせて検討すると、媒体間のバランスも説明しやすくなります。
年間計画にすることで得られるコスト上のメリット
年間でまとめて計画すると、単発発注では得られない効率が生まれます。
- 年間の総枚数が見えるため、まとめ配布を前提とした単価の相談がしやすい(金額はエリア・枚数・時期により変動します)
- 印刷も複数回分をまとめることで、版代や段取り費の按分が効きやすい
- デザイン・印刷・配布をワンストップで依頼すれば、毎回の業者探しや校正のやり取りが減り、担当者の工数も圧縮できる
- 配布エリアを年間で設計するため、重複や無駄撒きを避けられる
つまり逆算は、単に数字を作るための手続きではありません。「なぜこの枚数・この時期・この金額なのか」を一本の線で説明できる状態にすることが目的です。この線がつながっていれば、稟議の場でも「目標達成に必要な投資額」として提示でき、余剰費目ではなく戦略費目として扱われます。
来期のチラシ予算、いまどの段階は?
3つの質問に答えるだけで、予算づくりの次の一手がわかります(約30秒)
質問 1 / 3
配布エリアは決まっていますか?
当てはまる方を選んでください
質問 2 / 3
いま知りたいことは?
当てはまる方を選んでください
質問 3 / 3
年間の配布計画の状況は?
当てはまる方を選んでください
診断結果:費用の目安を比べる進め方がおすすめです
まずはチラシのサイズ・配布エリア・枚数という3つの条件を仮置きし、配布費と印刷費を合算した概算を出してみましょう。条件を変えて複数パターンを並べると、年間予算の幅が見え、社内説明の土台にもなります。悲観・標準・楽観の3シナリオで試算しておくと、上振れ・下振れの両方に備えた計画が組めます。条件を伝えれば目安の算出もご相談いただけます。
診断結果:見積りと配布プランの相談がおすすめです
配るエリアと枚数の見当がついているなら、具体的な見積りと配布プランの相談に進む段階です。町丁目ごとの世帯数、軒並み・集合住宅中心・エリア指定といった配布方法、繁忙期から逆算した配布月をお伝えください。年間の配布回数まで含めて設計すれば、カレンダー表や配布報告を社内資料としても使えます。全国対応で承りますのでご相談ください。
ステップ1:商圏世帯数を把握し、配布可能枚数の上限を知る
年間販促予算の立案は、「いくら使えるか」からではなく「自社の商圏に何世帯あるか」から始めます。商圏世帯数が分かれば、1回あたりに配布できる最大枚数と、年間で何回配れるか(同一世帯への接触頻度)の上限が決まり、予算の天井が自然に見えてきます。逆にこの数字がないまま金額だけ積み上げると、社内説明の場で「なぜその枚数なのか」に答えられません。
業態別に商圏半径の考え方を変える
商圏の広さは業態によって大きく異なります。以下は一般的な目安で、立地や競合状況により調整が必要です。
- 飲食・美容・治療院:徒歩〜自転車圏が中心。半径500m〜1.5km程度。来店頻度が高い業態ほど近距離に集中させる
- 学習塾:通塾可能な範囲。小学生対象は徒歩圏、中高生対象は自転車圏〜1駅圏まで広がる
- 不動産・リフォーム・住宅:物件所在地や施工エリア基準で、車で10〜15分圏(半径3〜5km)まで広げるケースが多い
- 訪問サービス(整体・清掃・買取など):移動効率が採算を左右するため、1拠点あたり車15分圏を目安に区切る
町丁目単位の世帯数を調べる手順
- 地図上に自店を中心とした商圏円(または道路・河川・線路で区切った実勢商圏)を描く
- 円に含まれる町丁目を書き出す
- 国勢調査ベースの公開統計や自治体の住民基本台帳データで、町丁目ごとの世帯数を確認する
- 戸建て中心か集合住宅中心かを現地やストリートビューで把握し、メモを残す
この表が、そのまま稟議資料の添付データになります。「商圏内◯◯町1〜3丁目、合計12,400世帯」という形で数字が出れば、枚数の根拠として説得力が出ます。
配布方法の選択肢と向き不向き
- 軒並み配布:指定エリア内の戸建て・集合住宅を区別せず全戸に配る。認知を広げたい新規オープンや、幅広い層が対象の飲食・スーパー向き
- 集合住宅集中:マンション・アパートに絞る。短時間で枚数を消化でき単価効率が高い。単身者向けサービス、賃貸関連、宅配系と相性が良い
- エリア指定(町丁目指定):世帯属性や所得傾向、競合店の位置を踏まえて配布地域を絞る。不動産売買、リフォーム、学習塾など単価が高くターゲットが明確な業種向き
戸建て中心のエリアは1枚あたりの反響が出やすい反面、移動距離が長く配布効率は落ちます。集合住宅中心は効率が良い一方、投函禁止の集合ポストや管理規約により配布できない棟も出ます。投函禁止表示への除外運用は配布可能数に直結するため、計画段階から織り込んでおくべき項目です。
実配布可能数は世帯数より少なく見積もる
統計上の世帯数がそのまま配布枚数になるわけではありません。お断り表示のある住戸、オートロックで立ち入れない集合住宅、空室などは配布対象外となります。実務上は商圏世帯数の8〜9割程度を実配布可能数の目安として見積もると、計画と実績のズレを抑えられます。1万2,000世帯の商圏なら、1回あたり約1万枚が現実的な上限です。
さらに、同一世帯へ同じ内容を短期間で繰り返すとクレームの要因になります。目安として同一エリアへの配布は月1回程度までに抑え、年4〜12回の範囲で設計するのが無理のない組み方です。この「上限枚数×年間回数×単価」が、年間予算の最大値となります。
ステップ2:想定反響率と1件あたり獲得コスト(CPA)を幅で試算する
年間予算を逆算するうえで、最も判断を誤りやすいのが反響率の置き方です。反響率は業種・商材単価・エリアの世帯構成・デザインの訴求力・配布時期によって大きく変動します。一般にポスティングの反響率は0.01〜0.3%程度のレンジで語られることが多いものの、これはあくまで目安であり、どの事業者にも保証される数値ではありません。だからこそ、単一の数字ではなく幅(レンジ)で置き、悲観・標準・楽観の3シナリオで試算することが実務の基本になります。
3シナリオ試算表の作り方
- 悲観シナリオ:1万枚 × 0.01%=1件。初回配布やデザイン未検証の段階はここを基準に置きます。
- 標準シナリオ:1万枚 × 0.03%=3件。過去実績がない場合の社内説明用の基準値として扱いやすい水準です。
- 楽観シナリオ:1万枚 × 0.1%=10件。オープン告知や強いオファー(割引・無料体験など)がある場合の上振れ想定です。
この3本を並べると、「最悪でも何件か」「黒字化には最低何件必要か」が可視化され、稟議の場で「根拠のない期待値」ではなく幅のある見通しとして説明できます。
配布単価と総コストの組み立て
配布単価はエリア・枚数・配布方法(軒並み/集合住宅集中/エリア指定)・時期によって変動しますが、おおむね1枚あたり数円台〜のレンジで考えるのが現実的です。加えて印刷費とデザイン費が乗るため、予算は必ず3つを合算して計算します。
- 配布費=枚数 × 配布単価(目安:数円台〜/1枚)
- 印刷費=枚数 × 印刷単価(紙質・色数・ロットで変動)
- デザイン費=制作1回分(年間で使い回す場合は回数で按分)
これらを足した総コストを反響件数で割れば、総コスト ÷ 反響件数=1件あたり獲得コスト(CPA)が出ます。たとえば総額15万円で標準シナリオ3件なら、問い合わせ1件あたり5万円。悲観の1件なら15万円です。
LTVで採算ラインを判断する
CPAだけを見て「高い」と判断するのは早計です。問い合わせが成約に至る率、1回あたりの客単価、そしてリピート回数まで掛け合わせたLTV(顧客生涯価値)で採算を見ます。
- 反響件数 × 成約率=新規顧客数(例:3件 × 50%=1.5人)
- 客単価 × リピート回数=1人あたりLTV(例:1万円 × 8回=8万円)
- LTV × 新規顧客数=粗利ベースの回収額(原価率を差し引いて判断)
この回収額が総コストを上回る範囲が、理屈のうえでの予算上限です。悲観シナリオでもLTVがCPAを上回るなら、その配布量は年間計画に固定枠として組み込めます。逆に楽観シナリオでしか採算が合わない施策は、枚数を絞ってテスト配布から始めるのが安全です。デジタル広告のCPAと比較した予算配分の見直しも併せて検討すると、媒体横断で説得力のある数字になります。
試算時のチェックポイント
- 反響の定義(来店・電話・Web申込)を事前に統一しているか
- 反響計測の手段(専用番号・クーポン・QR)を用意しているか
- シナリオの前提数値を誰が見ても追えるよう別表にしているか
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ステップ3:年間の配布回数・枚数を季節波と業種別繁忙期で配分する
年間予算が決まったら、次は「いつ・どこに・何枚撒くか」を配分します。ここで最も多い失敗が、年間予算を12等分して毎月同じ枚数を撒いてしまうことです。チラシ配布の反響は、受け手側に「いま検討している理由」があるかどうかに大きく左右されます。需要が動かない月に平均的に撒くより、需要の山の手前に厚く配分したほうが、同じ予算でも獲得件数は伸びやすくなります。年間販促予算の立案では、まず自社の季節波を把握することから始めてください。
業種別の繁忙期の目安
- 学習塾:新学期・入会シーズン前の1〜3月、夏期講習募集前の5〜6月が山。冬期講習前の10〜11月も狙い目。
- 不動産:転勤・進学の異動期にあたる1〜3月、下期の動きが出る9〜10月。売却査定訴求は固定資産税通知や決算期と絡めやすい。
- 飲食店:歓送迎会需要の3〜4月、忘年会・年末年始の11〜12月、母の日や夏休みなどの行事月。
- リフォーム・ハウスクリーニング:工事がしやすい春(3〜5月)と秋(9〜11月)、大掃除需要の11〜12月。
- 治療院・整体:新生活の疲れが出る5〜6月、年末の繁忙期疲れが出る11〜12月。
自社の過去の売上・問い合わせデータを月別に並べると、業種一般論より精度の高い波が見えます。売上の山の1〜1.5か月前に配布のピークを置くのが基本設計です。
反復接触の設計と頻度の上限
一度きりの配布で認知が定着することは稀です。同一エリアへは年間で3〜6回程度を目安に繰り返し接触し、社名やサービスを覚えてもらう設計が有効です。ただし頻度が高すぎると「また入っている」という不快感につながり、クレームの原因になります。同一世帯への投函間隔は最低でも3〜4週間、できれば1〜2か月空けるのが無難です。投函禁止表示のある世帯を除外する運用とあわせて、苦情発生時の業者連携とエスカレーション手順を事前に決めておくと、現場も社内も慌てずに済みます。
年間カレンダー表の作り方
- 列を「月/配布エリア(町丁目単位)/枚数/配布方法(軒並み・集合住宅中心・エリア指定)/目的(新規獲得・再来促進・認知維持)/想定費用」で作る。
- 繁忙期の1〜1.5か月前の行から先に枚数を埋め、山に予算を寄せる。
- 閑散期は枚数を絞り、認知維持と小ロットのテスト配布に充てる。
- 同一エリアの配布月が近接していないかを、エリア列でソートして確認する。
- 想定費用を合計し、年間予算の80〜90%に収まるよう調整する。
テスト配布と予備費の置き方
新しいエリアやクリエイティブは、いきなり全量を投下せず、5,000〜10,000枚程度のテスト配布で反響を確認してから本配布に拡大します。段階的に投じることで、外した場合の損失を限定できます。あわせて年間予算の10〜20%程度を予備費として確保しておき、反響の良かったエリアへの再投下や、競合の出店・季節外れの需要などの突発事態に回せるようにしておきましょう。予備費は「余らせる枠」ではなく「勝ち筋に追加投資する枠」と社内で定義づけると、稟議でも納得を得やすくなります。GPSによる配布報告でエリアごとの実配布状況が残っていれば、再投下の判断根拠も明確になります。
ステップ4:社内稟議を通すための根拠資料の揃え方
年間予算の数字が固まっても、資料の作り方が悪ければ決裁は止まります。決裁者が本当に見ているのは、突き詰めると「その金額に見合うリターンが説明できるか(費用対効果)」と「本当に実施されたと後から確認できるか(証跡)」の2点です。この2点に答える構成で資料を組み立てると、差し戻しが激減します。
稟議書・予算説明資料に盛り込む8項目
- 目的:新規客獲得、既存商圏の維持、新店告知など、達成したい状態を1行で明記する。
- 対象商圏と世帯数の根拠:半径や町丁目ごとの世帯数、出典(自治体の世帯数統計や配布エリアデータ)を添える。
- 配布計画:回数・枚数・実施月・配布方法(軒並み配布/集合住宅中心/エリア指定)を一覧表的に列挙する。
- 費用内訳:デザイン費・印刷費・配布費を必ず分けて示す。合算で出すと「どこが高いのか」の質問で止まります。
- 想定反響シナリオ3パターン:悲観・標準・楽観の反響率で件数と売上を試算し、あくまで目安であると明記する。
- CPAとLTVの比較:1件あたり獲得コストと、顧客生涯価値(平均単価×来店回数×継続年数)を並べ、回収可能性を示す。
- 効果測定方法:どの数字を、誰が、いつ集計するかまで書く。
- リスクと対策:反響が下振れした場合の枚数縮小、クレーム発生時の対応フロー、投函禁止表示の除外運用など。
効果測定は「複数手段の併用」で精度を上げる
測定手段が1つだと取りこぼしが出ます。次の手段を組み合わせ、重複をチェックしたうえで集計するのが実務的です。
- クーポン券の切り取り・持参:回収枚数がそのまま反響数になり、最も説明しやすい。配布回ごとに券面の記号を変えると回次別の比較ができます。
- 専用電話番号:チラシ専用の番号を記載し、着信件数で測定。時間帯別の反応も把握できます。
- QRコード/専用LP:配布エリア別・配布月別にQRを分け、アクセス数と予約数を計測。紙とデジタルの橋渡しになります。
- 来店時ヒアリング:受付や会計時に「何でお知りになりましたか」を必ず聞き、「チラシを見た」を記録する運用をルール化します。
「やった証拠」は配布報告書で示す
決裁者が懸念するのは、費用を払ったのに実際には配られていないという事態です。配布後に提出される配布報告書(配布日・配布エリア・配布枚数、GPSによる配布ルート記録など)があれば、実施済みであることを客観的に社内へ示せます。報告書は稟議時に「完了後にこの形式で提出を受ける」と添付見本を示しておくと、事前の不安がそのまま解消されます。実際の共有方法は配布報告の社内共有と効果検証への転用も参考になります。
あわせて、見積りが明朗会計で追加料金が発生しない形式であれば、「予算超過のリスクはない」と断言でき、予算管理上の説明が格段に楽になります。見積書に含まれる範囲(デザイン・印刷・配布・報告書作成)を明記し、別途費用が発生する条件があるかどうかを事前に確認して資料に書き添えておきましょう。
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ステップ5:リスク管理と翌期への改善サイクルを計画に織り込む
年間の販促予算は、枚数と金額を決めただけでは完成しません。配布は屋外・住戸単位で行う実務である以上、クレーム・遅延・表示上のトラブルといったリスクが必ず一定確率で発生します。これらを「起きてから考える」のではなく、あらかじめ計画書に項目として織り込んでおくことが、社内説明の説得力にも、翌期の安定運用にもつながります。
予算計画に必ず含めたいリスク項目
- お断り表示への配慮:「チラシ投函お断り」のステッカーや掲示がある住戸・集合住宅には投函しない運用を、発注時の仕様書に明記します。投函禁止表示と除外運用のルールを業者と共有し、除外リストを蓄積していくと年々トラブルが減ります。
- 集合住宅の管理規約:オートロックや管理人常駐物件では、管理規約や掲示で投函が制限されている場合があります。無理に入らない、掲示の指示に従うという原則を徹底します。
- クレーム発生時の窓口:チラシに自社の問い合わせ先を記載し、受付→一次回答→配布業者への連絡→再発防止策の共有、という流れを社内で決めておきます。「どの班が、いつ、どこを配ったか」を特定できる配布報告があると、事実確認が短時間で終わります。
- 広告表示のルール:景品表示法などの観点から、根拠のない最上級表現(「日本一」「絶対に」など)や、裏付けのない効果の断定は避けます。割引表示や価格の二重表示も、算定根拠を社内で説明できる形にしておくのが安全です。
スケジュールにバッファを持たせる
台風・大雪・長雨などの悪天候、年末年始やゴールデンウィークの配布制限、繁忙期の人員集中など、配布スケジュールは遅延しうる前提で組みます。実務上は、希望の配布完了日から1〜2週間前倒しで入稿・着荷の締切を設定し、配布期間にも数日の予備日を確保するのが現実的です。セール告知のように日付が動かせない販促では、逆算日程を厳守できるよう、印刷・配布の発注を早めに確定させておきます。
エリア別データを翌期配分に反映するPDCA
- 配布エリア(町丁目単位)ごとに、配布枚数・反響件数・成約件数を記録する
- エリア別の反響率とCPAを算出し、上位・中位・下位に分類する
- 下位エリアの枚数を削り、上位エリアへ再配分する(同じ予算でも効率が上がる)
- 下位でも「初回だから」「告知内容が合わなかった」可能性があるため、原稿や時期を変えて1回は再検証する
反響の計測は、チラシごとに専用の電話番号・クーポンコード・QRコードを分けるだけでも精度が上がります。1年分のデータが揃えば、翌期の予算は「前年実績のあるエリアに、実績値で配分する」という説明ができ、稟議の難易度が大きく下がります。
年間契約・まとめ発注が単価最適化につながる理由
配布単価や印刷単価は、エリア・枚数・時期により変動しますが、一般に年間での配布枚数をまとめて確定させるほど、1枚あたりの単価は下がりやすい傾向があります(あくまで目安で、保証されるものではありません)。理由は、配布スタッフの稼働計画を前もって組めること、印刷も同一データの増刷や複数回分の同時印刷で版・段取りのコストを分散できること、エリア設計を一度で済ませられることにあります。年間予算を組む段階で配布回数・時期・枚数を固めておけば、こうした条件交渉を有利に進められ、同じ予算でより多くの世帯に届けられます。
かんたん診断来期のチラシ予算、いまどの段階は?30秒でチェック ▲
まとめ:年間予算は「逆算」と「証跡」で社内を動かせる
チラシ配布の年間販促予算は、「昨年と同じくらい」という前年踏襲ではなく、商圏の実数から逆算して組み立てることで、はじめて社内説明に耐える計画になります。ここまでの手順を、来期の立案作業でそのまま使えるようにもう一度整理します。
年間予算立案の5ステップ
- 商圏世帯数を把握する:自治体の世帯数統計や町丁目単位のデータで、半径・距離帯ごとの配布可能枚数の上限を確認する。
- 反響率を幅で試算する:0.01〜0.1%など業種・訴求により大きく変わるため、必ず低位・中位・高位の3パターンで置く。
- CPAとLTVを比較する:1件獲得コストが顧客生涯価値の範囲に収まるかを確認し、1回あたりの投下上限額を決める。
- 季節波に合わせて年間配分する:繁忙期前に厚く、閑散期は薄く。年4〜12回など回数を先に決め、枚数と単価を掛けて年額を算出する。
- 根拠資料と配布報告で証跡化する:稟議書に商圏データ・試算表・見積を添え、実施後は配布報告書のチェック項目に沿って実施記録を残す。
数値はすべて「目安」として扱う
本記事で示した反響率や単価の水準は、あくまで一般的な目安です。実際の数値はエリアの世帯構成、配布枚数、配布時期、業種、競合状況、チラシの内容によって大きく変動します。社内資料に記載する際も「目安」「試算値」と明記し、確定値のように扱わないことが、後の説明責任を守るうえで重要です。
初年度はテスト、2年目から自社データで組む
自社の実測値がない段階では、初年度を「データ取得の年」と位置づけるのが現実的です。同じエリアで枚数・時期・紙面を変えながら配布し、問い合わせ件数と来店・成約数を記録しておけば、翌期には自社の反響率とCPAで予算を組めるようになります。チェックポイントは次の3点です。
- 問い合わせ経路を「チラシを見て」で必ず集計できる導線(専用番号・QR・持参特典)を用意する
- 配布エリア・配布日・枚数を、反響データと同じ台帳で管理する
- 投函禁止表示への配慮や苦情対応の手順を、計画段階で予算と一緒に記載しておく
この積み上げがあれば、来期以降の稟議は「仮定の数字」ではなく「自社の実績」で説明でき、予算の増減判断も社内で共有しやすくなります。
ポスティングくんでは、商圏世帯数の調査やエリア別の配布枚数シミュレーション、年間計画を前提とした法人向けのお見積りに対応しています。GPSによる配布報告で実施の証跡を残せるため、稟議や効果検証の資料にもそのままご活用いただけます。全国対応・明朗会計(追加料金なし)で、小ロットのテスト配布から数万枚規模の大量配布まで承ります。来期の販促予算の組み立てでお悩みでしたら、まずは無料査定・法人向けお見積りよりお気軽にお問い合わせください。
ポスティングを依頼する前に
よくある質問(FAQ)

