チラシ印刷データは仕上がり寸法・塗り足し3mm・内側余白3〜5mmの3層で設計します。A4なら210×297mmに上下左右3mmを加えた216×303mmで作り、背景や写真は仕上がり線の外まで伸ばすのが基本です。
この記事でわかること
- A4・B5・A5・B4など用途別のチラシサイズの選び方
- 断裁誤差を前提とした仕上がり線・塗り足し・安全領域の考え方
- 背景や写真を3mm外まで伸ばす理由とよくある失敗例
- Illustrator・InDesign・Photoshopなどソフト別の裁ち落とし設定
チラシ印刷で最も痛いミスは、刷り上がってから気づく「端が切れている」「文字が断裁線ギリギリで読みにくい」「色味が想像と違う」といったトラブルです。1万枚、3万枚といった大量部数になるほど、刷り直しの損失は時間的にも費用的にも大きくなります。しかも配布スケジュールが決まっている販促物では、刷り直しの数日がそのままキャンペーンの機会損失につながります。
この記事では、自社でデザインして入稿する担当者に向けて、チラシ印刷のデータ作成におけるサイズ設計と塗り足し(ぬりたし)3mmを中心に、文字切れを防ぐ内側余白、画像解像度、CMYK変換、フォントのアウトライン化まで、실務で押さえるべき要点を順を追って解説します。とくに「A4サイズをそのまま作ればいい」と思われがちな仕上がり寸法の考え方は、折り加工や両面印刷が絡むと一気に難易度が上がります。入稿前の最終チェックリストも用意しましたので、社内の確認フローにそのまま組み込んでご活用ください。
チラシのサイズ設計:仕上がり寸法・仕上がり線・断裁の関係を理解する
チラシ印刷のデータ作成は、デザインを描き始める前の「サイズ設計」で精度の大半が決まります。まずは代表的なチラシサイズの寸法を押さえておきましょう。
- A4:210×297mm/ポスティングで最も使われる定番。情報量と読みやすさのバランスが良い
- B5:182×257mm/A4よりひと回り小さく、紙代・印刷コストを抑えやすい
- A5:148×210mm/クーポンや単一商品の告知向き。手に取ったときの圧迫感が少ない
- B4:257×364mm/スーパーや住宅系など情報量が多い業種で使用。折って投函するケースが多い
ポスティング用途でA4とB5が主流なのは、折らずにそのままポストへ投函でき、投函口で折れ曲がったり破れたりしにくいためです。B4やA3は二つ折りにすればA4・B5相当のサイズになりますが、折り加工の費用と日数が追加でかかります。コストはエリア・枚数・時期により変動するため、あくまで目安として、サイズが小さいほど用紙代が下がる一方で掲載できる情報量も減る、というトレードオフで判断してください。
仕上がり寸法と断裁誤差の関係
データ上の「仕上がりサイズ」とは、断裁した後の最終寸法を指します。印刷工程では、A4を1枚ずつ刷るのではなく、菊全・四六判といった大きな紙にA4を複数面並べて(面付けして)印刷し、インキを乾かしたうえで、重ねた紙束を断裁機でまとめて切り落とします。このとき紙は数百枚単位で重ねられるため、刃の入り方や紙の滑りによって、一般に0.5〜2mm程度の振れ幅が生じうると考えておくのが実務的です。
つまり、データ上で寸法がmm単位で正確であっても、仕上がりが設計どおりになる保証はありません。「断裁線ぴったりに背景の色を合わせた」データは、わずかに外側にズレて切られると紙の白が細い線状に残り、「仕上がり線ギリギリに文字を置いた」データは、内側にズレて切られると文字が欠けます。この誤差を前提にすることが、データ作成の出発点です。
版面は「3層構造」で設計する
そこで、デザインを始める前に次の3層でレイアウト領域を決めます。
- 仕上がり寸法:A4なら210×297mm。最終的に手元に届くサイズ
- 塗り足し:仕上がり線の外側3mm。背景や写真をここまで伸ばす領域
- 内側余白(安全領域):仕上がり線の内側3〜5mm。文字やロゴを入れない緩衝帯
新規ドキュメントを作る際の設定手順はシンプルです。デザインソフトの新規作成画面で、ドキュメントサイズには仕上がり寸法(210×297mm)を入力し、裁ち落とし(ブリード)設定を上下左右すべて3mmにします。最初からこの設定にしておけば、ガイド線が自動で表示され、後からサイズを作り直す手間がなくなります。Officeソフトなど裁ち落とし設定がない場合は、216×303mmのキャンバスを作り、周囲3mmを塗り足し領域とみなして作業します。
用途別のサイズ選定チェックポイント
- 情報量:商品点数や価格表が多いならB4、訴求を1つに絞るならA5でも成立する
- 配布方法:ポスティング中心ならA4・B5、手配りなら小さめでも可
- 郵送可否:DMと併用する予定があるなら、封入サイズや定形外規格を先に確認する
- 折り加工:折ると納期が延びるため、配布日から逆算して余裕があるかを確認する
サイズと部数の方向性が固まったら、次は用紙の種類と厚みです。チラシ印刷の用紙・厚さ・部数の選び方とあわせて仕様を固めておくと、入稿後の手戻りを大きく減らせます。
チラシ、作った後の配り方は決まっていますか?
3つの質問に答えるだけで、次に進めるべきステップがわかります(約30秒)
質問 1 / 3
チラシのサイズは決まっていますか?
当てはまる方を選んでください
質問 2 / 3
配布したいエリアのイメージは?
当てはまる方を選んでください
質問 3 / 3
今回の配布の位置づけは?
当てはまる方を選んでください
診断結果:サイズ・エリア・枚数から費用の目安をつかむ進め方がおすすめです
まだ仕様を詰めている段階なら、A4・B5といったサイズと、配りたいエリアの範囲、おおよその枚数という3つの条件を並べて、配布費用の目安を比べるところから始めると判断しやすくなります。サイズが変われば紙面の情報量も変わるため、データ作成と並行して検討するのが効率的です。条件を変えた複数パターンでお問い合わせいただけます。
診断結果:エリアと枚数を伝えて配布プランを相談するのがおすすめです
配布エリアと枚数の方向性が決まっているなら、具体的な条件をお知らせいただくことで、見積りと配布プランのご相談に進めます。配布日が決まっている場合は、折り加工や印刷の日数も踏まえたスケジュールの調整が必要です。継続配布をお考えの場合も含め、エリアの区切り方や配布時期をあわせてご相談ください。
塗り足し3mmはなぜ必要か:背景・写真・ベタ面の正しい伸ばし方
塗り足し(裁ち落とし/ブリード)とは、仕上がりサイズよりも外側に、背景や写真をあらかじめはみ出させておく余白のことです。印刷は大きな紙にまとめて刷ったあと、断裁機でまとめて切り落とします。このとき紙の伸縮や積み重ねのズレで、どうしても0.5〜1mm程度の誤差が発生します。仕上がり線ぴったりで背景を止めていると、断裁が外側にずれた瞬間に紙の地色がヒゲのように残り、いわゆる「白フチ」が出てしまいます。これを防ぐための保険が塗り足しで、国内の一般的な商業印刷では上下左右3mmが標準です。A4(210×297mm)なら、データ全体は216×303mmのサイズで作る、という理解で問題ありません。
紙端まで届かせたい要素はすべて3mm外へ
- 背景のベタ面・グラデーション
- 全面写真、帯状の見出し背景
- 地紋、斜めストライプなどの装飾パターン
- 紙端で切れるデザインの罫線・囲み枠
いずれも「仕上がり線で止める」のではなく、仕上がり線から3mm外側まで確実に到達させます。グラデーションの場合は、色の終点が仕上がり線上に来ていると断裁位置によって端の色が変わって見えるため、終点自体を塗り足し領域の外まで延長しておくのが安全です。
よくある失敗例
- 写真を仕上がり線ぴったりで配置:わずかな断裁ズレで白い筋が出る。
- 背景のグラデーションが途中で切れている:拡大して端まで届いているか必ず確認する。
- 白フチを意図したデザインでフチ幅が細すぎる:3mm程度の細い白フチは断裁誤差で左右非対称になり、仕上がりが安っぽく見える。意図的な白フチは最低でも7〜10mm以上確保すると安定します。
- 塗り足しはあるが背面に白いオブジェクトが隠れている:重なり順の確認漏れで白い線が出る。
ソフト別の設定方法
- Illustrator:新規ドキュメント作成時の「裁ち落とし」に上下左右3mmを入力。既存データは[ファイル]→[ドキュメント設定]から後からでも変更できます。PDF書き出し時に「ドキュメントの裁ち落とし設定を使用」にチェックを入れるのを忘れずに。
- InDesign:新規ドキュメントの「裁ち落としと印刷可能領域」で3mmを設定。PDF書き出しのトンボと裁ち落としタブで同様にチェックします。
- Photoshop:A4ならカンバスサイズを216×303mm・350dpiで作成し、ガイドで上下左右3mm内側に仕上がり線を引いて作業します。後からカンバスを広げると画像が足りなくなるため、最初から大きく作るのが鉄則です。
- WordやPowerPointなどのオフィスソフト:裁ち落としの概念が無く、用紙いっぱいのベタ塗りは原則困難です。対処としては、スライドサイズを216×303mmに設定して外周3mmを塗り足しとみなす、もしくは紙端に要素を触れさせない白フチ主体のデザインに切り替えます。いずれにせよ入稿前に印刷会社へ事前相談し、対応可否を確認しておくと安全です。
素材の伸ばし代が足りないときの実務テクニック
支給された写真の解像度やトリミング範囲に余裕がなく、3mm分を伸ばせないケースもあります。その場合は、写真をわずかに拡大して塗り足し分を稼ぐ、端の1〜2mmだけコピー&反転して継ぎ足す、端部を背景色のベタやぼかしで自然につなぐ、といった処理が現実的です。人物の顔や商品の輪郭が仕上がり線付近にある場合は、拡大で重要部分が切れないか必ず確認します。どうしても伸ばせない写真は、思い切って紙端から離して白フチ内に収めるレイアウトへ変更したほうが、仕上がりの精度は安定します。入稿前の最終確認は入稿データ不備のチェック項目とあわせて行うと、刷り直しのリスクを大きく減らせます。
文字切れを防ぐ内側余白:安全領域(セーフティマージン)の設計基準
塗り足しが「仕上がり線の外側に伸ばす領域」だとすれば、安全領域(セーフティマージン)は「仕上がり線の内側に確保する余白」です。断裁は紙を何百枚も重ねて一度に切るため、どうしても数ミリ単位のズレが生じます。外側に伸ばしていれば白フチは防げますが、文字やロゴが仕上がり線ギリギリに置かれていると、今度は端が欠けたり、極端に端に寄って見えたりします。この両方を押さえて初めて、サイズ設計が完成します。
内側に確保する余白の目安
一般的な目安として、切れては困る要素は仕上がり線から最低3mm、推奨は5〜7mm内側に収めます。A4チラシであれば、四辺5mmの内側に「文字が入ってよい枠」をガイドとして引き、その内側だけでレイアウトを組むと安全です。印刷会社によって推奨値は異なるため、最終的には入稿先のテンプレートに従ってください。
- 見出し・本文・価格表記:端に寄せず、必ず安全領域の内側へ
- 電話番号・住所・営業時間・URL:最も欠けてはいけない情報。7mm程度内側に置くと安心
- ロゴ・店名:ロゴ自体の余白規定も併せて確保する
- 地図:目印となる建物名や道路名が端で切れないか確認
QRコードは「クワイエットゾーン」に注意
QRコードは四辺に余白(クワイエットゾーン)があって初めて正しく読み取られます。デザイン上の見栄えを優先してコードを紙の端に寄せたり、背景の色面がコードのすぐ横まで迫っていたりすると、断裁後に余白が削られ、読み取り不良を起こすことがあります。QRコードの周囲にはコードのセル4つ分程度の白い余白を確保し、さらにその外側を安全領域の内側に収める、という二重の設計を心がけてください。印刷前にスマートフォンでテスト読み取りをしておくと確実です。
切り取りクーポン・枠線デザインの扱い
クーポンの切り取り線を入れる場合、断裁誤差で線そのものが端に寄ってしまうことがあります。切り取り線は仕上がり線から十分離し、線の内側に印字するクーポン内容も、線から3〜5mm程度の余裕を持たせましょう。
また、チラシ全体を細い枠線で囲むデザインは、断裁誤差が最も目立つパターンです。わずか1mmのズレでも、左右の線幅が違って見え、仕上がりが雑な印象になります。対策は二つで、枠線を太めにして誤差を目立たなくするか、枠線を使わず背景の色面で区切るかです。デザイン段階でどちらかを選んでおくと、刷り上がりの不満を避けられます。
折り加工がある場合の追加ルール
二つ折り・巻き三つ折りなどの加工を伴う場合は、折り位置にも配慮が必要です。
- 折り位置から3〜5mm以内には文字やロゴを置かない。折りスジで文字が割れ、読みにくくなります
- 写真や色面が折り位置をまたぐ場合は問題ないが、顔など重要な被写体は折り線上を避ける
- 巻き三つ折りでは、内側に巻き込むパネルを2〜3mm程度小さく設計する。等分割にすると、折ったときに内パネルがはみ出したり膨らんだりします
折り加工の寸法は加工機や紙厚によって変わるため、数値は目安と考え、必ず印刷会社のテンプレートを取り寄せて確認してください。入稿前の最終確認では、入稿データ不備のチェック項目と併せて、安全領域の内側に重要情報が収まっているかを一度通しで見直すことをおすすめします。
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画像解像度とカラーモード:CMYK変換・リッチブラック・小さい文字の色指定
サイズと塗り足しが正しくても、画像の解像度と色の設定を誤ると「粗い」「色がくすんだ」「文字がぼやけた」という仕上がりになります。ここは印刷会社側で勝手に直せない部分なので、入稿前に自分で確認しておくことが重要です。
原寸配置で350dpiが商業印刷の標準
チラシなどのオフセット・オンデマンド印刷では、実際に配置するサイズで350dpi(最低でも300dpi)が目安です。dpiは1インチ(25.4mm)あたりの点の数なので、必要なピクセル数は「仕上がり幅(mm) ÷ 25.4 × 350」で計算できます。
- A4(210×297mm)全面写真:おおよそ2894×4093ピクセル相当
- A4の1/4サイズ(約105×148mm):おおよそ1447×2039ピクセル相当
- 塗り足し込みで配置するなら、上下左右3mm分も含めたサイズで計算する
Web用画像の多くは72dpi(画面表示用)で、見た目のピクセル数自体が足りていないことが大半です。これをA4全面に拡大すると、1ピクセルが約0.35mmの大きさに引き伸ばされ、輪郭のギザつきやぼやけとして紙に出ます。ソフト上で解像度の数値だけ350に書き換えても情報量は増えないので、撮影データや素材サイトのオリジナルサイズから取り直すのが正解です。
RGBからCMYKへの変換は入稿前に自分で行う
モニターは光の三原色(RGB)、印刷はインキの四色(CMYK)で色を作ります。再現できる色の範囲が異なるため、画面で鮮やかに見える蛍光系の赤・ビビッドな青・明るい緑などは、CMYK変換で沈んだ印象になりやすい色です。変換を印刷会社の自動処理に任せると、仕上がりを見るまで色味が分かりません。
- 画像とデータのカラーモードをCMYKに変換する
- 変換後の状態で、写真の肌色・商品の赤・ロゴの指定色を目視で確認する
- 沈んだ色は彩度やトーンカーブで補正するか、近い色に置き換える
- ブランドカラーが重要なら、色校正の依頼を検討する
モニターの表示自体がずれていると判断を誤るため、色に厳しい案件ではキャリブレーション済みの環境で確認するか、実際の紙に出力する色校正を使うのが安全です。
黒の使い分けとリッチブラックの注意点
黒には「K100の単色(スミ1色)」と「CMYKを掛け合わせたリッチブラック」があり、用途で使い分けます。
- 小さい文字・細線・本文:K100の単色。版ズレが起きても輪郭がにじまない
- 大きなベタ面・背景の黒:リッチブラック。単色より深みのある黒になる
- リッチブラックの総インキ量が多すぎると、乾きにくく裏移りやムラの原因になる。印刷会社の指定がある場合はそれに従い、無指定なら総量をおおむね250〜300%程度までに抑えるのが無難
細い文字を4色の掛け合わせにすると、わずかな版ズレで色の縁が出て読みにくくなります。白抜き文字も同様で、背景がベタ色の場合は細すぎる明朝体やウエイトの軽いフォントを避け、太めの書体や文字サイズ7〜8pt以上にすると潰れを防げます。
モノクロ印刷・最終チェック
モノクロ(スミ1色)で刷る場合は、カラーのまま入稿せずグレースケールに変換し、色の違いで差をつけていた箇所が同じ濃さになっていないか確認します。地図の路線色やグラフの系列色は要注意です。最後に、配置画像のリンク切れ・低解像度警告・RGB残りの3点をソフトの検証機能で一括チェックしてから書き出しましょう。
フォントのアウトライン化とPDF入稿:データ形式別のチェックリスト
サイズと塗り足しが正しくても、フォントやリンク画像の処理を誤ると、印刷所の環境で別の書体に置き換わったり、画像が低解像度で出力されたりします。ここではIllustrator入稿とPDF入稿それぞれで押さえるべき実務ポイントを整理します。
Illustrator入稿はアウトライン化が原則
テキストをアウトライン化(文字情報を図形に変換)しておけば、相手側に同じフォントが無くても見た目が変わりません。ただしアウトライン後は文字の修正ができなくなるため、アウトライン前のデータを「_edit」など別名で必ず残す運用をおすすめします。誤字が見つかったときに一から作り直す事態を防げます。
アウトライン漏れは次の手順で検出します。
- すべてのレイヤーのロックと非表示を解除する(非表示レイヤー内の未アウトラインテキストが最も見落としやすい)
- 「すべてを選択」後にアウトライン化を実行する
- ドキュメント情報パネルの「フォント」項目を開き、一覧が空になっているか確認する
- 「フォント検索」機能で使用フォントが検出されないかを再確認する
あわせて、ドラッグ時にできた孤立点(空の文字オブジェクトやアンカー単体)も削除しておきます。孤立点は目視では見えませんが、面付けの基準が狂う原因になります。
PDF入稿で起きやすい事故
PDFは環境差が出にくい形式ですが、書き出し設定を誤ると別の問題が起きます。
- フォント埋め込み:PDF/X-1aやPDF/X-4など印刷用プリセットを使い、全フォントが埋め込まれているかプロパティで確認する
- トンボと裁ち落とし:トンボを付け、裁ち落とし設定を天地左右3mmに指定して書き出す
- 透明効果:ドロップシャドウや乗算などの透明効果は分割・統合処理で見た目が変わることがある。書き出したPDFを拡大表示し、境目に白い筋や色味の段差が出ていないか確認する
- オーバープリント:白文字やオブジェクトにオーバープリントが設定されていると、印刷時に文字が消えるおそれがある。設定を解除し、オーバープリントプレビューで最終確認する
画像・レイヤー・面順の確認
リンク画像は埋め込むか、元データを同一フォルダに同梱します。リンク切れのまま入稿すると、プレビュー用の荒い画像で出力される危険があります。使っていないレイヤー、ガイド、配置したラフ画像、裁ち落とし外のゴミオブジェクトは削除し、アートボード外も整理しておきましょう。両面チラシでは表裏の取り違えが定番のミスなので、ファイル名を「〇〇_omote」「〇〇_ura」のように明示し、ページ順も揃えます。細かな不備の全体像はチラシ印刷の入稿データ不備チェック項目もあわせて確認すると漏れを減らせます。
入稿前チェックリスト
- 仕上がりサイズとアートボードが一致しているか
- 塗り足し3mmが全辺に伸びているか
- 内側余白(安全領域)に文字が収まっているか
- 画像解像度は原寸で300〜350dpiあるか
- カラーモードはCMYKか(RGB画像の残りがないか)
- フォントはすべてアウトライン化、またはPDFに埋め込み済みか
- リンク画像は埋め込みまたは同梱されているか
- トンボ・裁ち落としが正しく設定されているか
- ファイル名のルール(表裏・日付・版数)が統一されているか
- 原寸プリントで文字サイズと切れ位置を目視確認したか
- 制作者以外の第三者がダブルチェックしたか
特に最後の2項目は効果が大きく、画面上では気づかない文字切れや電話番号の誤りが紙に出すと見つかります。部数が多いほど刷り直しの損失も大きくなるため、入稿前の30分を惜しまないことが結果的に最短ルートになります。
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部数と納期から逆算するデータ準備スケジュールと費用の考え方
1万〜3万枚規模の大量部数では、データ不備による刷り直しが納期と費用の双方に大きく響きます。10枚の試し刷りなら作り直しても痛手は小さいですが、2万枚を刷り直せば用紙代・インキ代・機械の稼働がまるごと無駄になり、配布日にも間に合わなくなります。だからこそ、デザインに着手する前に「配布日から逆算したスケジュール」を紙に書き出しておくことが実務上の最重要ポイントです。
配布日から逆算する基本の考え方
順番は「配布日」からさかのぼります。以下は一般的な目安であり、部数・加工内容・繁忙期かどうかによって変動します。
- 配布日:チラシが各家庭に届く日。複数日にわたる場合は初日を基準にする
- 納品日:配布拠点に刷り上がりが届く日。配布開始の数日前に設定
- 印刷・乾燥・断裁・梱包:両面カラーのベタ面が多いデザインは乾燥に時間を要する場合がある
- 校了(入稿データ最終確認):サイズ・塗り足し・アウトライン化・解像度の最終チェック
- デザイン修正・社内承認:原稿の赤字戻し、法務や本部確認が入る場合は特に日数を見る
この逆算表に、さらに余裕日を2〜3営業日積んでおくと安心です。実務でスケジュールが崩れる原因の多くは、印刷工程そのものではなく「社内承認が週をまたいだ」「写真素材の差し替えが直前に出た」といった前工程の遅れだからです。余裕日があれば、データ不備が見つかっても再入稿して間に合う可能性が残ります。
データ準備側のチェックポイント
- サイズ・塗り足し3mm・安全領域は、デザイン着手時点のテンプレートで固定しておく
- 掲載する価格・日付・電話番号など「後から変わりやすい要素」は早めに確定させる
- 複数店舗分の版を作る場合は、共通部分と差し替え部分を分けて管理する
- 最終データは1本に絞り、ファイル名に日付を入れて旧版との取り違えを防ぐ
より細かい確認項目はチラシ印刷の入稿データ不備チェック項目の記事も参考にしてください。
費用は仕様と部数で変わる
印刷費の単価は、おおむね次の要素で変わります。いずれも目安であり、時期や仕様で変動します。
- 用紙の種類:コート紙(光沢あり)、マットコート紙(落ち着いた質感)、上質紙(筆記しやすい)などで単価が異なる
- 斤量(紙の厚さ):厚いほど用紙代が上がり、重量が増すため配送条件にも影響する
- 片面か両面か:両面カラーは情報量を増やせる一方、単価は片面より上がる
- 部数:部数が増えるほど版や段取りのコストが分散され、1枚あたりの単価は下がる傾向がある
- 加工・納期:ニス加工や特急対応を加えると費用が変わる
そのため「1万枚と3万枚で見積もりを並べて比較する」運用が有効です。配布計画上3万枚まで広げる予定があるなら、小分け発注より一括発注のほうが総額を抑えやすいケースがあります。
印刷だけ・配布まで一括、どちらでも設計できる
株式会社ポスティングくんでは、印刷のみのご依頼にも対応しており、A4両面カラー1万〜3万枚といったロットを得意としています。印刷から配布まで一括でご依頼いただけば、デザイン・印刷・配布の工程が分断されず、納品先の指定や配布開始日の調整までひとつの窓口で進行管理できます。配布実績はGPSによる報告でご確認いただけるため、「刷ったチラシがどのエリアに届いたか」までつながった形で検証できます。料金はエリア・枚数・時期により変動しますので、配布日とおおよその部数が決まった段階でご相談ください。
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まとめ:サイズ設計を正しく押さえれば刷り直しリスクは大きく減らせる
チラシ印刷のデータ作成でトラブルになるのは、多くの場合「サイズ設計」と「塗り足し」という基本の部分です。逆に言えば、ここを順番どおりに押さえておけば、断裁ズレによる白フチや文字切れ、色味の大きな違いといった刷り直し原因の大半は事前に防げます。最後に、記事全体の要点を実務の流れに沿って整理します。
入稿前に確認したい7つの手順
- 仕上がり寸法を確定する:A4(210×297mm)やB5など、配布方法・ポスト投函のしやすさも踏まえて最初に決める。途中でサイズ変更するとレイアウトを作り直すことになる。
- 塗り足し3mmを付ける:背景色・写真・ベタ面は仕上がり線の外へ3mm伸ばす。断裁は刃の入り方で必ず微差が出る前提で作る。
- 内側余白を5mm前後確保する:文字・ロゴ・電話番号・QRコードなど切れては困る要素は仕上がり線より内側に入れる。
- 画像解像度は原寸350dpiを目安に:拡大配置した写真やスクリーンショットは特に注意。地図や細い線は解像度不足が目立ちやすい。
- カラーモードをCMYKに統一:RGBのまま入稿すると蛍光色・鮮やかな青や緑がくすむ。小さい文字はスミ1色、広いベタはリッチブラックと使い分ける。
- フォントをアウトライン化、またはPDF/X形式で書き出す:書き出し後に文字化け・字詰めの崩れがないか必ず開き直して確認する。
- 原寸プリントで最終確認:等倍で紙に出し、読める文字サイズか、余白が窮屈でないか、誤字・電話番号・営業時間に誤りがないかを複数人で指差し確認する。
この流れを一度チェックリスト化しておけば、次回以降の制作が大幅に速くなります。より細かな項目はチラシ印刷の入稿データ不備チェック項目もあわせて確認してください。データ作成の精度は、納期の安定と無駄な刷り直し費用の削減、そして配布当日の安心感にそのまま直結します。
印刷だけの依頼も、配布までの一括依頼も
株式会社ポスティングくんでは、配布をともなわない印刷のみのご依頼にも対応しています。A4両面カラーで1万〜3万枚といった大量部数の実務に慣れており、入稿データの仕様(塗り足し・解像度・データ形式・納期)についても事前にご相談いただけます。料金はエリア・枚数・用紙・時期により変動しますが、明朗会計で後から追加料金が発生しない体系とし、全国対応で納品先の指定や分納の手配も可能です。配布までご依頼いただく場合は、GPSによる配布報告で「どのエリアをいつ回ったか」を確認でき、刷った分がきちんと届いているかという不安を解消できます。
部数・サイズ・用紙・納期をお伝えいただくだけで概算のお見積りをご提示できます。「このデータで問題ないか不安」「塗り足しの付け方を確認したい」という段階でもかまいません。まずは無料査定・法人お見積りからお気軽にご相談ください。データ仕様の確認から配布設計まで、担当者が具体的にご提案します。
ポスティングを依頼する前に
よくある質問(FAQ)
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