「ポスティングは午前中に配るのがいい」「平日の昼間は留守が多いから夕方がいい」——ポスティングの配布時間については、こうした経験則がよく語られます。しかし、その前提になっている「平日の昼間、家に人はどれくらいいるのか」という部分は、意外なほどデータで語られてきませんでした。
その前提を大きく動かしているのがテレワークです。国土交通省が2026年3月24日に公表した最新の調査によると、首都圏(東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県)で働く人の37.7%がテレワークを経験しており、これは地方都市圏の約2.2倍にあたります。しかも、コロナ禍後は下がり続けていた数値が、今回の調査で増加に転じました。
この記事では、国土交通省「令和7年度 テレワーク人口実態調査」の公表データをもとに、地域によって在宅状況がどれだけ違うのかを整理し、それがチラシ配布の時間帯・曜日の考え方にどう関わるのかを実務目線でまとめます。数字の読み違いが起きやすいポイントについても、あわせて解説します。
調査の概要|国土交通省「令和7年度 テレワーク人口実態調査」
今回参照するのは、国土交通省が毎年実施している「テレワーク人口実態調査」の最新版です。調査の基本情報は次のとおりです。
- 調査主体:国土交通省(テレワーク関係府省と連携)
- 調査時期:2025年(令和7年)10月
- 公表日:2026年(令和8年)3月24日
- 調査方法:就業者を対象としたWEB調査
- 有効サンプル数:40,000人(うち雇用型就業者の集計対象は36,391人)
全国の結果としては、雇用型テレワーカーの割合が25.2%(前年度から0.6ポイント増)、直近1年間のテレワーク実施率が16.8%(同1.2ポイント増)となりました。国土交通省は、コロナ禍後は両方の指標とも減少が続いていたものの、令和7年度調査で増加に転じ、安定基調で推移していることが確認されたとしています。
地域差が大きい|首都圏37.7%に対し地方都市圏は17.2%
全国平均よりも実務的に重要なのが、地域による差です。同調査の地域区分別に見ると、雇用型テレワーカーの割合は次のようになっています。
| 地域区分 | 2025年度 | 2024年度 | 対象都府県 |
|---|---|---|---|
| 首都圏 | 37.7% | 36.8% | 東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県 |
| 近畿圏 | 25.0% | 24.5% | 京都府・大阪府・兵庫県・奈良県 |
| 中京圏 | 22.8% | 19.8% | 愛知県・岐阜県・三重県 |
| 地方都市圏 | 17.2% | 17.4% | 上記以外の道県 |
| 全国 | 25.2% | 24.6% | — |
首都圏の37.7%は、地方都市圏17.2%の約2.2倍です。国土交通省も「地域別のテレワーカーの割合は、雇用型就業者・自営型就業者ともに、相対的に首都圏で高い」「雇用型就業者のテレワーカーの割合は、首都圏では令和2年度以降は3割超の水準を維持」と指摘しています。
時系列で見ると、首都圏の変化はさらにはっきりします。
- 2018年度(コロナ禍前):20.5%
- 2021年度(ピーク):42.1%
- 2024年度:36.8%
- 2025年度:37.7%
コロナ禍前の20.5%と比べると、直近は約1.8倍の水準です。ピーク時の42.1%からは4.4ポイント下がっていますが、そこからさらに下がり続けるのではなく、直近では0.9ポイントの増加に転じました。「一時的な現象で、いずれ元に戻る」という段階ではなく、首都圏では新しい水準として定着しつつあると読むのが妥当でしょう。
【重要】「テレワーク経験者37.7%」は「毎日37.7%が在宅」ではない
ここで、この種の数字を扱うときに最も誤解されやすいポイントを整理しておきます。結論から言うと、「首都圏の37.7%が、平日の昼間いつも家にいる」わけではありません。
調査で使われている2つの指標は、定義が異なります。
- 雇用型テレワーカーの割合(全国25.2%/首都圏37.7%)……雇用型就業者のうち、これまでにテレワークをしたことがある人の割合
- 直近1年間のテレワーク実施率(全国16.8%)……雇用型就業者のうち、その年度の直近1年間に実際にテレワークを実施した人の割合
つまり37.7%は「経験がある人」の割合であり、そのうち現在も継続している人はさらに絞られます。加えて、テレワークを続けている人でも週5日すべてが在宅とは限らず、週1〜2日の併用型も多く含まれます。
したがって、この数字から言えるのは「平日の日中に在宅している人が一定数いて、その比率は地域によって明確に違う」ということまでです。「昼間は誰もいない」という前提だけで配布設計をすると実態とずれる可能性がある——これがデータから導ける実務的な示唆になります。過大にも過小にも見積もらないことが大切です。
この数字がポスティングにとって意味すること
1. 「日中は留守」という前提が地域によって変わる
かつては「平日の日中はほとんどの世帯が留守」という前提が成り立ちやすい状況でした。しかし首都圏のようにテレワーク経験者が4割近い地域では、日中に在宅している世帯の比率は以前より高くなっていると考えられます。チラシが投函されてから実際に手に取られるまでの時間が、以前より短くなるケースも増えている可能性があります。
2. エリアによって「効きやすい時間」が違う可能性がある
首都圏37.7%に対し、地方都市圏は17.2%と2倍以上の差があります。同じ「午前中に配る」という設計でも、その効果の出方は地域によって変わりうるということです。全国一律の常識で配布時間を決めるのではなく、配布エリアの特性に合わせて考えるほうが合理的です。
3. 集合住宅の比率とあわせて考えると精度が上がる
首都圏は集合住宅の比率が高く、オートロック等で投函できない物件も一定数あります。「在宅率は高いが、そもそも投函できる物件かどうか」という条件と合わせて配布計画を立てることが、無駄のない配布につながります。オートロック物件の実態についてはオートロック共同住宅は44.2%|ポスティングが入れない物件の実態と対処法でも統計をもとに整理しています。
実務への落とし込み|配布時間・曜日をどう設計するか
データを踏まえたうえで、実際の配布設計で押さえておきたい考え方を整理します。なお、反響率は業種・チラシの内容・配布エリア・時期によって大きく変動するため、以下はあくまで設計時の参考としてご覧ください。
時間帯は「在宅率」だけでなく「生活動線」で考える
在宅率が上がったとしても、郵便受けを確認するタイミングは人によって異なります。多くの世帯では帰宅時や外出時に郵便受けを見るため、投函した時刻そのものよりも「その日のうちに郵便受けが開けられるか」のほうが実質的には重要です。深夜・早朝の配布はトラブルにつながりやすいため避けるべきという点も変わりません。配布時間のルールについてはポスティングの配布曜日・時間は何時がベスト?法的ルールと効果的なタイミングを解説で詳しく解説しています。
曜日は「来店してほしい日」から逆算する
飲食店や小売店であれば週末の来店を狙って木・金曜に配布する、教室・スクールであれば検討時間が取れる週末前に届ける、といったように、配布曜日は在宅率よりも「行動してほしいタイミング」から逆算するのが基本です。
エリアごとにテストして実測する
結局のところ、どの時間帯・曜日が自社にとって効果的かは、業種と商圏によって変わります。小ロットでのテスト配布を行い、反響を測りながら本配布のエリアと時期を決めていく方法が、最も確実に精度を上げられます。
データを扱ううえでの注意点
この記事で紹介した数値は、あくまでテレワークの実施状況を示すものであり、ポスティングの反響率を直接示すものではありません。実際の反響は、チラシの内容・デザイン・配布エリアの世帯特性・競合状況・時期など多くの要素に左右されます。
また、調査は2025年10月時点のWEB調査に基づくもので、勤務先の業種や職種によってテレワークの可否は大きく異なります。「首都圏だから在宅が多い」と一律に判断するのではなく、配布エリアの住宅構成や世帯属性とあわせて検討することをおすすめします。
出典と引用について
本記事の数値は、国土交通省が公表している以下の資料をもとに作成しています。
- 国土交通省「テレワーク実施率、安定基調で推移 ~令和7年度のテレワーク人口実態調査結果を公表します~」(2026年3月24日)
https://www.mlit.go.jp/report/press/toshikankyoteleworkr7.html - 国土交通省「令和7年度 テレワーク人口実態調査結果」(別添資料)
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出典:株式会社ポスティングくん「首都圏のテレワークは37.7%|平日昼間の在宅とポスティング配布時間の最新データ」 https://postingkun.com/telework-zaitaku-posting-jikan-data-2026/
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<a href="https://postingkun.com/telework-zaitaku-posting-jikan-data-2026/">首都圏のテレワークは37.7%|平日昼間の在宅とポスティング配布時間の最新データ</a>(株式会社ポスティングくん)
まとめ
国土交通省の最新調査によると、雇用型テレワーカーの割合は全国で25.2%、首都圏(東京・埼玉・千葉・神奈川)では37.7%と、地方都市圏17.2%の約2.2倍にのぼります。コロナ禍後に続いていた減少は止まり、2025年度調査では増加に転じました。
ここから言えるのは、「平日の日中は留守」という従来の前提が、地域によって当てはまり方が変わってきているということです。ただし「テレワーク経験者の割合」と「日々の在宅率」は別物であり、数字を過大に読むことは避けるべきです。
配布時間や曜日の設計は、こうしたエリア特性に加えて、業種・目的・住宅構成をあわせて考えることで精度が上がります。配布エリアの選び方や時間帯の設定については、無料でご相談・お見積りを承っています。GPSによる配布報告で「いつ・どこに配ったか」をご確認いただけます。
よくある質問(FAQ)

