10万部クラスの費用は、段取り代・用紙代など部数比例費・仕上げ工程費の3層で決まり、部数が増えるほど段取り代が薄まり1枚単価が下がります。納期は印刷時間に加え校正や断裁、配送を含めた全体で見るのが目安です。
この記事でわかること
- 費用を構成する3層の内訳と単価を左右する5つの変動要因
- オフセット印刷とオンデマンド印刷の違いと使い分けの考え方
- 見積比較で揃えるべき仕様・送料・予備刷り・色校正の確認点
- 納期の目安レンジと分納・入稿データ管理の実務手順
チラシ印刷を1万部、3万部、さらには10万部といった大量部数で発注する際、担当者が最初に突き当たるのが「結局いくらかかるのか」「いつ納品されるのか」という2点です。大量印刷は部数が増えるほど1枚あたりの単価が下がる構造を持ちますが、その下がり方は用紙・色数・サイズ・納期といった条件に左右され、見積書を並べても比較しづらいのが実情です。また、納期についても「印刷機にかける時間」だけでなく、データチェック・色校正・断裁・梱包・配送といった前後工程が全体の日数を決めています。
この記事では、法人の販促・購買担当者に向けて、10万部クラスのチラシ印刷における費用の組み立て方、オフセット印刷とオンデマンド印刷の使い分け、納期の目安レンジ、分納(分割納品)の可否、そして入稿データの管理と不備を防ぐ実務手順を整理します。株式会社ポスティングくんはポスティングを伴わない印刷のみのご依頼にも対応しており、特にA4両面カラー1万〜3万枚のロットを得意としています。10万部規模のご相談も含め、実務で使える判断材料としてご覧ください。
10万部のチラシ印刷で費用はどう決まるのか|単価の内訳と変動要因
10万部という大量印刷の見積もりは、ひとつの単価で決まっているわけではありません。構造としては、(1)初期費用(製版・刷版・機械の準備=いわゆる段取り代)、(2)部数に比例して増える費用(用紙代・インキ・刷り代)、(3)仕上げ工程の費用(断裁・折り加工・梱包・配送)の3層で組み立てられています。この3層を分けて理解しておくと、見積書の金額が「なぜその額なのか」を自分で説明できるようになり、社内の稟議も通しやすくなります。
段取り代が薄まるから10万部は単価が下がる
オフセット印刷では、データから刷版を作り、印刷機に版をセットして色を合わせる作業が必要です。この準備コストは1万部でも10万部でもほぼ同額で発生します。仮に段取り代を一定額とすると、1万部なら1枚あたりに乗る段取り代は10万部の10倍になります。逆に言えば、10万部では段取り代が1枚あたりに極めて薄く分散し、単価の大部分が用紙代とインキ代=実費に近づいていきます。これが「部数が増えるほど1枚単価が下がる」仕組みの本体です。ただし下がり方は一定ではなく、5万部を超えたあたりから逓減のカーブは緩やかになります。部数が増えると単価が下がる条件と仕組みも合わせて押さえておくと、部数判断がしやすくなります。
単価を左右する5つの変動要因
- 用紙の種類と厚み:コート紙・マットコート紙・上質紙などの銘柄差に加え、90kg・110kg・135kgといった厚み(連量)で用紙代が変わります。10万部規模では紙代が総額に占める比率が高く、1ランク厚くするだけで総額が大きく動きます。
- 色数:両面フルカラー、片面カラー+裏面スミ1色、全面スミ1色では版数と刷り回数が変わります。裏面を1色に落とすだけでコストを抑えられる場合があります。
- サイズと加工:A4・B4・A3などの仕上がりサイズ、二つ折り・三つ折りなどの折り加工の有無で、紙の取り都合と工程が変わります。折りが入ると加工費と日数が加算されます。
- 納期:特急対応は機械の空き枠を優先確保するため割増になりやすく、標準納期なら抑えられます。
- 季節要因:年末年始、新生活(2〜4月)、決算期、大型連休前は印刷会社が混み合い、単価も納期も動きます。繁忙期は早めの枠押さえが有効です。
なお、ここで示す考え方はあくまで目安であり、実際の金額は用紙相場・仕様・発注エリア・枚数・時期により変動します。
購買担当が見積比較で確認すべき実務ポイント
- 総額ではなく「同一仕様で揃えた1枚単価」で比較する:用紙や厚みが1社だけ違えば、安く見えて当然です。用紙銘柄・連量・色数・サイズ・折り加工・納期を1枚の条件表にまとめ、各社に同じ内容で出してもらいます。
- 梱包・送料・消費税の含有有無を確認する:10万部は重量物で、梱包単位(1箱あたりの入数)と配送先の数で送料が大きく変わります。税別表記か税込表記かも必ず揃えます。
- 予備刷り(余部)の扱いを確認する:大量印刷では数量の過不足が起こり得るため、予備の有無と請求方法を事前に確認します。
- 色校正の要否と費用:本機校正か簡易校正かで費用と日数が変わります。
- 再入稿・データ修正時の追加費用:版の作り直しが発生した場合の費用規定を見ておきます。
この5点を揃えてから見積もりを取れば、各社の条件差が数字の差として正しく見えるようになります。
チラシの印刷と配布、次に決めることは?
3つの質問に答えると、費用の目安から相談までの進め方がわかります(約30秒)
質問 1 / 3
配るエリアは決まっていますか?
当てはまる方を選んでください
質問 2 / 3
印刷する部数の見通しは?
当てはまる方を選んでください
質問 3 / 3
チラシを配る時期はいつ頃ですか?
当てはまる方を選んでください
診断結果:サイズ・エリア・枚数から目安を比べるのがおすすめです
まずはチラシのサイズ、配りたいエリア、想定する部数を並べ、配布費用の目安を確認してみましょう。印刷費は用紙の種類や厚み、色数、サイズ、納期によって変わるため、同じ仕様に揃えて比べると条件の差が見えやすくなります。部数が増えるほど段取り代は広く分散します。目安をつかんでから、社内の検討を進めてください。
診断結果:エリアと枚数を伝えて見積りを相談するのがおすすめです
配布したいエリアと部数が固まっているなら、条件を伝えて見積りと配布プランを相談する段階です。ポスティングを伴わない印刷のみの依頼にも対応しており、まとめて刷って時期ごとに分けて納品する進め方も相談できます。荷受け条件や納期の目安を事前に共有しておくと、スケジュールの調整がしやすくなります。
オフセット印刷とオンデマンド印刷の使い分け|損益分岐の考え方
10万部という大量印刷を検討する段階では、まず「どの印刷方式で刷るか」を決めることが費用と納期の前提条件になります。チラシ印刷の方式は大きく分けてオフセット印刷とオンデマンド(デジタル)印刷の2つで、それぞれコスト構造がまったく異なります。ここを理解しておくと、見積書の金額差がなぜ生まれるのかを自分で説明できるようになります。
オフセット印刷の特徴|初期費用は高いが1枚単価が下がる
オフセット印刷は、データから刷版(印刷用の版)を作成し、その版にインキを乗せて紙に転写する方式です。版の作成費と機械のセットアップ(見当合わせ・色合わせ)に初期費用がかかるため、少部数では割高になります。しかし一度刷り始めれば1枚あたりのコストは非常に低く、部数が増えるほど単価が下がっていきます。
- 色の安定性が高く、1枚目と10万枚目の色ブレが小さい
- 網点の再現性に優れ、写真や人物の肌色、グラデーションがきれいに出る
- 選べる用紙の幅が広い(コート・マットコート・上質・微塗工など)
- 特色やニス加工など仕上げの選択肢も多い
10万部のチラシは、基本的にこのオフセット領域です。写真を主体にした飲食店のメニュー訴求、不動産の物件写真、住宅設備のビフォーアフターなど、画質が売上に直結する販促物ほどオフセットの利点が生きます。
オンデマンド印刷の特徴|版が不要で小回りが利く
オンデマンド印刷は版を作らずトナーやインクジェットで直接出力する方式で、初期費用がほとんどかかりません。そのため数十部〜数千部の小ロット、翌日納品のような短納期、そして1枚ごとに内容を変えるバリアブル印刷(店舗名・地域名・担当者名・QRコードの差し替え)に強みがあります。
一方で1枚あたりのコストは部数が増えても大きく下がらないため、部数が伸びると総額が一気に膨らみます。また、トナーの定着性の関係で選べる用紙が限られる場合があり、厚手の特殊紙やエンボス紙は不可となることもあります。ベタ面(全面に色を敷いたデザイン)ではトナーのムラや光沢差、折り加工時の割れが出やすい点にも注意が必要です。
損益分岐の目安と二段構えの発注
一般的には数千部前後を境にオフセットが有利に傾くケースが多いとされますが、これはあくまで目安です。サイズ・色数・用紙・加工の有無、そして印刷会社がどの設備を持っているかによって分岐点は前後します。見積もりを取る際は、同じ仕様で「オンデマンドの場合」「オフセットの場合」を併記してもらうと判断しやすくなります。
実務で有効なのが、次の二段構えです。
- デザイン案をA・Bの2パターン作り、各500〜2,000部をオンデマンドで印刷する
- 限定エリアでテスト配布し、問い合わせ数や来店数を比較する
- 反応の良かった案に絞り、修正を加えて本刷りをオフセットで10万部発注する
テスト分の印刷費は追加でかかりますが、10万部すべてを外した訴求で刷ってしまうリスクを考えれば十分に合理的です。なお、オンデマンドとオフセットでは発色が完全には一致しないため、テスト段階の色味をそのまま本刷りに期待しないこと、本刷り前に色校正で仕上がりを確認することをおすすめします。
部数別に見る単価の下がり方|1万部・3万部・10万部の考え方
チラシ印刷の見積もりを取ると、1万部より3万部、3万部より10万部のほうが1枚あたりの単価が下がります。ただし、部数が10倍になっても総額が10倍になるわけではなく、かといって単価が10分の1になるわけでもありません。この「下がり方のカーブ」を理解しておくと、予算配分や発注ロットの判断がぶれなくなります。
単価が下がる2つの理由|段取り費用の分散と用紙の調達単位
ひとつ目は段取り費用(イニシャルコスト)の分散です。オフセット印刷では版の作成、インキの調整、色合わせの試し刷りといった刷り始めるまでの工程が必要で、この費用は1万部でも10万部でもほぼ同額です。つまり、同じ段取り費を何枚で割るかという話になり、部数が増えるほど1枚あたりの負担が小さくなります。
ふたつ目は用紙の調達単位です。印刷用紙は「連」という単位でまとめて仕入れるため、半端な枚数だと端数分が無駄になります。まとまった部数は仕入れ単位にきれいに収まりやすく、用紙の調達条件も有利になります。
1万部→3万部→10万部で何が変わるか
- 1万部→3万部:段取り費の分散効果が最も大きく効く区間。1枚単価の下落幅を体感しやすいのはここです。
- 3万部→10万部:段取り費はすでに十分薄まっているため、下落は緩やかになります。
- 10万部以降:総額に占める用紙代と刷り工数が支配的になり、部数を増やしても劇的には下がりにくくなります。
この感覚を持っておくと、「あと2万部足せばもっと安くなるのでは」と無理に部数を積む判断を避けられます。実際の金額はサイズ・用紙・色数・納期・時期で変わるため、あくまで目安として捉え、必ず見積もりで確認してください。部数によって単価が下がる条件と仕組みも併せて確認しておくと、比較の軸が作りやすくなります。
弊社が得意とするロットと「印刷のみ」の対応
株式会社ポスティングくんでは、A4両面カラー1万〜3万枚のロットを特に多く扱っており、この帯域の仕様選定と納期調整には実務の蓄積があります。もちろん10万部規模の大量印刷にも対応しますし、ポスティングを伴わない「印刷のみ」のご依頼も承っています。自社スタッフで配る、新聞折込に回す、店頭で手配りするといった用途でも、印刷単体でお見積もりが可能です。
まとめ刷り+分納で単価を抑える
単価を下げる現実的な方法が、年間で使う総部数を1回でまとめて刷り、必要な時期ごとに分けて納品してもらうやり方です。段取り費を1回分に抑えつつ、手元の保管スペースを圧迫しません。
- 年間の配布計画(時期・エリア・枚数)を先に棚卸しする
- デザインを変えない共通部分と、時期ごとに変える部分を切り分ける
- 共通デザイン分だけをまとめて刷り、分納スケジュールを指定する
刷りすぎのリスクとのバランス
一方で、まとめ刷りには情報の陳腐化による在庫廃棄というリスクがあります。価格改定、キャンペーンの期限、電話番号や受付時間、SNSアカウントの変更などが起きると、残部は使えなくなります。発注前に次の点を確認してください。
- 半年〜1年の間に価格や料金プランの変更予定はないか
- 期限や日付を紙面に入れる必要があるか(入れない設計にできないか)
- 連絡先・店舗情報・担当体制が変わる可能性はないか
- 廃棄になった場合の損失が、まとめ刷りによる削減額を上回らないか
単価の安さだけで部数を決めず、「使い切れる見込みのある部数」を上限に置くのが結果的に最も無駄のない判断になります。
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大量印刷の納期の目安レンジ|工程別に見る日数の内訳
10万部クラスの印刷は「印刷機を回す時間」よりも、その前後の工程と物流が納期を決めます。まず全体の流れを工程ごとに分解し、どこに日数がかかるのかを把握しておくと、スケジュールの組み立てと社内調整が格段に楽になります。以下はあくまで目安であり、仕様(用紙・加工・色数)、繁忙期(年末年始・年度末・連休前)、工場の稼働状況によって変動します。
工程別の日数目安
- データ入稿〜データチェック(プリフライト):半日〜1営業日。不備があれば差し替えの往復で+1〜2日。
- 色校正:簡易校正(インクジェット等)で1〜2日、本機校正なら3〜5日。確認・返送の社内時間も加算する。
- 刷版作成・印刷:合わせて1〜2日。10万部でもオフセットなら印刷自体は数時間〜1日程度で完了するケースが多い。
- 乾燥:半日〜1日。コート紙の濃いベタ面や両面刷りでは裏移り防止のため待ち時間が必要。
- 断裁・折り加工:1〜2日。二つ折り・巻き三つ折りなどの加工が入ると物量に比例して延びる。
- 検品・梱包:1〜2日。10万部はパレット単位になり、荷姿づくりに時間がかかる。
- 出荷〜着荷:1〜3日。距離と配送手段(路線便かチャーター便か)で変わる。
合計すると、標準的なA4両面カラー・特殊加工なしで入稿から着荷まで7〜12営業日程度が目安です。折り加工や本機校正、複数箇所への分納が入ると2週間以上を見込んでおくと安全です。
10万部で納期を押し上げるのは「後工程」
意外に思われますが、10万部で日程を圧迫するのは印刷ではなく乾燥・断裁・梱包・物流です。A4チラシ10万部は重量にして1トン前後、パレット数枚分の荷姿になります。そのため配送はパレット扱いの路線便かチャーター便となり、通常の宅配便のような「翌日着」は前提にできません。着荷側でも、トラックの横付け可否、エレベーターの有無、保管スペースの確保ができていないと受け取れず、結果的に納品日が後ろ倒しになります。分納や納期の考え方も含め、荷受け条件は見積もり段階で必ず共有しましょう。
納期を縮めるための事前準備
- 入稿データを早期に確定する:原稿の文言・価格・期日を社内承認まで済ませてから入稿する。入稿後の修正は刷版からやり直しとなり数日単位で遅れる。
- 色校正の方式を判断する:写真の色再現がシビアでなければ簡易校正で数日短縮できる。厳密な色が必要な商材だけ本機校正を選ぶ。
- 配送先を1カ所に集約する:拠点ごとの直送は便数が増え、全箇所着荷が揃うまでの日数が延びやすい。
- 荷受け体制を先に押さえる:搬入可能時間、車両制限、保管場所、受け取り担当者を事前に決めておく。
特急対応と、余裕を持たせる価値
どうしても日程が足りない場合は特急対応が可能なこともありますが、工場の優先枠を使うため割増料金が発生するのが一般的です。割増が出やすいのは、休日稼働を伴う場合、加工を外注に回す場合、チャーター便を手配する場合などです。逆に、着荷希望日に数日の幅を持たせられると、印刷会社は機械の空き枠に合わせて組めるため、価格交渉の余地が生まれます。配布開始日から逆算し、余裕日を2〜3日組み込んだスケジュールを最初に提示することが、コストと納期の両面で有利に働きます。
分納・分割納品は可能か|保管と配送を含めた運用設計
10万部のチラシ印刷で見落とされやすいのが「納品後の置き場所」です。A4両面カラー・コート90kg程度の仕様なら、1箱2,000部前後で梱包されるのが一般的で、10万部なら段ボール50箱前後、重量にして約1トン、パレット2〜3枚分に相当します。オフィスの一角では到底収まらず、荷受け当日はトラックから降ろす人員と動線も必要になります。だからこそ、見積もり段階で「一括納品か分納か」を決めておくことが実務上の分かれ目になります。
分納には「拠点分割」と「時間差」の2種類がある
分納(分割納品)は多くの印刷会社で対応可能ですが、方式によって費用も段取りも変わります。
- 拠点分割型:本社に1万部、各店舗に5千部ずつ、といった複数拠点への同時直送。店舗ごとの配布枚数が決まっている場合に有効です。
- 時間差型:初回3万部を先行納品し、残り7万部は印刷会社側で保管、月次で引き取る方式。キャンペーンを数か月に分けて展開する場合に向きます。
- 併用型:初回のみ各拠点へ直送し、残部は中央で保管して都度出庫する形。
時間差型は保管スペースの貸与にあたるため、保管料が別途かかる場合と、一定期間まで無料で預かる場合があります。無料保管の上限期間(例:納品後◯か月)を必ず書面で確認してください。
分納は送料と荷役費が積み上がる
分納の回数が増えるほど、配送費・荷役費は加算されます。一括配送なら1回で済む運賃が、10拠点への直送では10回分かかる計算です。1部あたりの印刷単価が下がっても、物流費で相殺されては意味がありません。発注前に以下を試算しましょう。
- 一括納品時の総額(印刷+配送+自社保管の手間)
- 分納時の総額(印刷+配送回数分の運賃+保管料)
- 差額が、保管場所を確保できない不便さに見合うかどうか
拠点ごとの直送と版下の共通化については、本部一括発注と分納・直送の進め方もあわせて検討材料にしてください。
保管中の品質劣化を防ぐ条件
刷り上がりが良くても、保管環境が悪ければ配布前に品質が落ちます。
- 湿気によるカール・波打ち:直置きを避けてパレットやすのこの上に置き、床や外壁に接触させない。
- 紫外線による退色:窓際や屋外に近い場所を避け、開封後は箱を閉じて遮光する。
- 積み重ねによる箱潰れ:紙は重量物のため、段積みは3〜4段程度を上限にし、荷崩れ防止のラップを外さない。
ラベリングと棚卸しで在庫管理を軽くする
箱の側面に「仕様(サイズ・用紙・両面/片面)/部数/刷り日/キャンペーン名」を明記したラベルを貼ってもらうよう依頼すると、複数回の印刷が混在しても取り違えを防げます。旧版と新版が同じ倉庫にある状態は誤配布の典型的な原因です。棚卸しは、配布を実施した直後と、次回発注の検討に入る1か月前の2回を目安にすると、追加印刷の要否を無理なく判断できます。
なお、保管した在庫をそのままポスティングの配布原稿として回す運用も相談可能です。印刷会社の倉庫から配布エリアの拠点へ直送し、配布後はGPSの配布報告で実施状況を確認する、という流れにすれば、自社で荷受けと再発送を行う手間を大きく減らせます。分納の区切り方を配布計画の区切りと一致させておくことが、無駄のない運用設計の基本です。
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入稿データの作り方と管理|トラブルを防ぐチェックリスト
10万部規模の大量印刷で最も避けたいのは、刷り上がってから誤りに気づくことです。1万部なら刷り直しの痛手も限定的ですが、10万部では費用も納期も大きく狂います。印刷所に渡す前の段階で、データ面と原稿内容面の両方を潰し込んでおくことが、結果的に最も安上がりな品質管理になります。
データ仕様のチェックリスト
- 塗り足し3mm:仕上がり線の外側まで背景・写真を伸ばす。断裁は数mmのブレが出るため、裁ち落とし前提で作る。
- 文字の安全余白:仕上がり線から内側3〜5mmには文字や重要なロゴを置かない。二つ折り・三つ折りの場合は折り位置からも逃がす。
- 画像解像度:原寸で350dpi程度が目安。拡大配置で実効解像度が下がっていないか、配置倍率も確認する。
- カラーモードはCMYK:RGB画像が1点混入しているだけで色が転ぶ。リンク画像を一覧で確認し、特にWeb素材の流用に注意。
- フォント:アウトライン化、またはPDFへの埋め込み。アウトライン後は文字修正ができないため、編集用の原本データを別途保存しておく。
- 総インキ量とベタの指定:裏移りや乾燥不良を避けるため、総インキ量は印刷所の指定値に収める。大面積の黒はスミベタ、締まった黒を出したい見出しや背景はリッチブラックと使い分け、細い文字にはリッチブラックを使わない(見当ズレで輪郭がぼける)。
- トンボと仕上がりサイズ:トンボ付きで書き出し、A4・B4など仕上がり寸法を注文内容と一致させる。
- PDF/X形式で書き出す:フォント埋め込み・カラー設定が固定され、環境差による事故を減らせる。
原稿内容の校正体制
データが正しくても、載っている情報が誤っていれば10万部すべてが無駄になります。以下は必ず複数名のダブルチェックで確認します。
- 電話番号・住所・URL(実際に発信・アクセスして確認)
- 価格と税込/税抜表記、割引率と割引後価格の整合
- キャンペーン期間、曜日と日付の対応(「10月5日(日)」が実際に日曜か)
- QRコードを複数端末の実機で読み取り、遷移先まで確認
- 景品表示法・薬機法に配慮した表現(効果の断定、最上級表現、根拠のない数値の有無)
チェックが終わったら承認者名と承認日を記録に残すこと。誰がいつOKを出したかが曖昧だと、ミスが起きたときに原因追跡も再発防止もできません。校正紙にサインを入れてPDFで保管する運用が簡便です。
色校正の選び方
色校正には、インクジェットなどで出力する簡易校正(色の傾向を確認)と、実際の印刷機・用紙で刷る本機校正(本番に近い再現)があります。文字組みやレイアウト確認が主目的、または定番の販促チラシであれば簡易校正で十分なケースが多く、費用も納期も抑えられます。一方、商品の色が購買判断に直結する場合やコーポレートカラーの再現が厳密に求められる場合は本機校正を検討します。判断に迷う場合は色校正の実務と仕上がり確認の手順を踏まえ、事前に印刷会社へ相談してください。
バージョン管理で差し替えミスを防ぐ
大量部数では「古い版を入稿してしまった」事故が致命傷になります。ファイル名を「案件名_A4表_20250410_v3_校了」のように日付+版数+ステータスで統一し、最終データは専用フォルダに1点だけ置く運用にします。修正のたびに版数を上げ、旧版は「旧版」フォルダへ移動。入稿時は印刷会社にファイル名とページ数、仕様(サイズ・用紙・両面/片面)をメールで明記し、受領確認を文面で残しておくと、認識違いによる刷り直しを防げます。
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まとめ|10万部の大量印刷は「仕様・納期・分納」を先に決めてから見積もりを取る
10万部規模のチラシ印刷は、金額も物量も大きく、発注の順番を誤ると「安いはずが結局高くついた」「納品日に間に合わない」という事態になりやすい発注です。最後に、実務で押さえるべき要点を整理します。
費用は「部数」だけでは決まらない
単価を左右するのは部数だけではなく、サイズ(A4・B4・A3)、用紙の種類と斤量(コート90kg・110kgなど)、色数(両面カラーか片面か)、加工(折り・ミシン目)、そして納期の余裕です。相見積もりを取る際は、同一仕様・同一納期・同一納品先数で条件を揃えて比較することが鉄則です。1社だけ用紙が軽い、1社だけ納期が長いといった状態では、単価差の意味が読めません。なお掲載される金額はあくまで目安であり、エリア・枚数・時期(繁忙期の年末年始、年度末など)により変動します。
印刷方式はオフセットが基本、テストはオンデマンド併用
10万部はオフセット印刷が前提で、版代を大量部数で割り戻せるため1枚あたりの単価は大きく下がります。一方で、デザイン案やオファーの検証は数百〜数千部のオンデマンド印刷で先にテストし、反応の良い案を10万部で本刷りするという併用が有効です。版を起こしてから修正すると、刷り直しのコストがそのまま損失になります。
納期は工程全体のレンジで押さえる
- データ入稿・不備チェック・修正
- 色校正の確認と承認
- 刷版作成・本刷り
- 乾燥・断裁・帯掛け・梱包
- 配送(複数拠点なら拠点ごとの到着日)
「印刷○日」という数字だけで逆算すると必ず遅れます。入稿から納品までの日数と短納期のコツも踏まえ、余裕を持ったスケジュールを組んでください。
分納は保管負担と物流コストのバランスで決める
10万部を一度に受け取ると、保管場所・開梱・在庫管理の負担が大きくなります。月ごと・拠点ごとの分納にすれば保管負担は抑えられますが、配送回数が増えるぶん物流コストは上がります。分納回数・保管期間・送り先数を見積もり依頼の段階で伝えておくことが、後出しの追加費用を防ぐ最大のポイントです。
最大のリスク対策は入稿データと承認記録
- 塗り足し3mm・文字の7mm以内の配置回避
- CMYK変換とリッチブラックの確認
- フォントのアウトライン化と画像解像度(350dpi目安)
- 最終データのファイル名とバージョン管理
- 校了のメール記録を残す
10万部は刷り直しのダメージが大きいため、誰がいつ何を承認したかを文書で残すことが保険になります。
印刷のみの依頼にも対応しています
株式会社ポスティングくんは、ポスティングを伴わない印刷のみのご依頼にも対応しています。A4両面カラー1万〜3万枚を特に得意としており、10万部規模の大量印刷や分納・複数拠点直送のご相談も承ります。そのまま配布まで進めたい場合は、GPSによる配布報告付きのポスティングまでワンストップでお任せいただけます。
サイズ・用紙・色数・部数・希望納品日・納品先数をお知らせいただければ、無料でお見積りいたします。法人のお見積り・無料査定のご相談はお気軽にお問い合わせください(金額は目安であり、エリア・枚数・時期により変動します)。
ポスティングを依頼する前に
よくある質問(FAQ)

