不動産売買チラシは商圏を4〜12ブロックに分割し、同一エリアへ年3〜6回当てる周回型で設計するのが基本です。分割数は年間配布回数÷各エリアへの接触回数で逆算し、1回の枚数は商圏世帯数から決めます。
この記事でわかること
- 単発配布ではなく年間計画で設計する理由と3つの利点
- 一次商圏・二次商圏の定義と町丁目単位での分割数の決め方
- 戸建・分譲マンション・賃貸でブロックごとに配布方法を変える考え方
- 繁忙期と閑散期の枚数配分、問い合わせ単価の考え方
不動産の売買チラシは、1回配って終わりでは反響が安定しません。売却を検討する人は「今すぐ売りたい」という層ばかりではなく、数か月〜数年かけて検討するケースが多いためです。だからこそ、同じ商圏に対して年間を通して計画的に接触し続ける「年間配布計画」が、査定依頼や媒介取得の積み上げに直結します。
本記事では、商圏を4〜12分割して繰り返し当てる設計の考え方、1回あたりの配布枚数を商圏世帯数から逆算する方法、築年数や持ち家比率を使ったエリア絞り込み、繁忙期と閑散期の枚数配分、そして問い合わせ単価(CPA)の計算式までを具体的に整理します。反響率は物件種別・エリア・時期によって差が大きいため、ここで触れる数値はあくまで目安として、自社の実績に置き換えてご活用ください。
不動産売買のチラシは「単発」ではなく「年間計画」で考える理由
不動産の売却は、家電や外食のように「チラシを見た日に決める」買い物ではありません。相続、住み替え、転勤、ローン負担の見直しなど、きっかけが生まれてから実際に査定を依頼するまで、数か月〜数年かかることも珍しくありません。つまりチラシを見た瞬間に反響が出るのではなく、検討が始まったときに「そういえばあの会社が何度も入れていた」と思い出してもらうことが勝負になります。だからこそ、不動産売買のチラシは単発の大量配布ではなく、年間の配布計画として枚数と頻度を設計する必要があります。
1回配布と反復配布では、反響の積み上がり方が違う
同じ総枚数10万枚を使うとしても、1回で10万枚を撒くのと、1エリア1万枚を年10回に分けて当てるのとでは意味が変わります。前者は一度きりの接触で終わりますが、後者は同じ世帯に複数回届くため、社名・担当者の顔・査定実績が少しずつ記憶に残ります。広告は複数回の接触で想起されやすくなると一般に言われますが、何回で効果が出るかは商圏や訴求で異なるため、「◯回で必ず反響が出る」といった断定はできません。実務上は、同一エリアに年3〜6回以上当てる前提で計画し、エリア単位で反響数を記録しながら最適な回数を探るのが現実的です。
チラシが効きやすい商圏・効きにくい商圏
- 効きやすい:持ち家比率が高い戸建中心の住宅地、築25年以上の分譲地、相続・住み替え層が厚い成熟エリア、大規模分譲マンション
- 効きにくい:単身向け賃貸が多い学生街、所有者が遠方に多い投資用ワンルーム中心エリア、法人テナントビルが並ぶ区画
同じ市区町村でも丁目単位で持ち家比率は大きく変わります。効かない区画に毎回配り続けると、年間予算の多くが無駄になります。
年間計画にすることで得られる3つの利点
- 反響の平準化:単発配布では月によって問い合わせがゼロになりますが、毎月配布枚数を確保すれば、査定依頼の波を小さくし営業体制を組みやすくなります。
- 配布履歴に基づく検証:いつ・どのエリアに・何枚配ったかが残れば、反響があった町丁目に次回の枚数を寄せる判断ができます。GPSによる配布報告があれば、配布実績とエリア別反響を突き合わせた検証がしやすくなります。
- 予算と印刷の計画化:年間の総枚数が決まれば印刷をまとめて手配でき、1枚あたりの単価を読みやすくなります(単価はエリア・枚数・時期により変動するため目安として扱ってください)。
年間計画に必要な4つの要素
- 商圏定義:本店・支店からの距離、または売却相談が実際に来ている町丁目
- 分割数:商圏をいくつのブロックに分け、どの順で回すか
- 1回あたりの枚数:ブロックの世帯数から逆算する
- 配分カレンダー:繁忙期と閑散期で枚数を変える月別計画
あわせて、訴求タイプの使い分けも年間で設計します。査定チラシ(売却検討層の掘り起こし)、売出し物件チラシ(周辺相場の訴求と近隣からの売却相談の誘発)、買取訴求チラシ(急ぎ・訳あり案件の受け皿)は役割が異なるため、同じエリアに毎回同じ内容を入れるより、順番に当てたほうが飽きられにくくなります。具体的な検証の回し方は不動産チラシの継続配布で年間反響を検証するPDCA設計もあわせて確認すると整理しやすいでしょう。次章から、この4要素を順番に決めていきます。
不動産売買チラシ、次の一手は?
3つの質問に答えるだけで、今のあなたに合う進め方がわかります(約30秒)
質問 1 / 3
商圏のエリア分割は決まっていますか?
当てはまる方を選んでください
質問 2 / 3
1回あたりの配布枚数の見通しは?
当てはまる方を選んでください
質問 3 / 3
配布の頻度はどう考えていますか?
当てはまる方を選んでください
診断結果:まずは配布費用の目安を比べるのがおすすめです
エリア分割や枚数がこれからの段階なら、チラシのサイズ・配布エリア・枚数の条件を変えながら費用の目安を出して比べてみてください。条件ごとの違いが見えると、年間の総枚数や分割数も逆算しやすくなります。小ロットでブロック単位のテストから始め、反応のあったエリアへ次期の枚数を寄せる進め方も検討できます。
診断結果:エリアと枚数を伝えて配布プランの相談がおすすめです
ブロックと枚数が固まっているなら、町丁目ごとの配布可能部数と突き合わせて具体的な見積りを取る段階です。戸建中心・集合住宅中心といったブロックごとの配布方法、周回の順番、配布開始日と完了日、投函禁止リストの共有まで含めて相談しましょう。GPSによる配布報告があれば、次の周回の検証にも活かせます。
商圏を4〜12分割する設計:同一エリアに繰り返し当てる考え方
不動産売買のチラシを年間で回すとき、最初に決めるべきは「商圏をいくつに割るか」です。分割数が決まれば、1回あたりの枚数も、各エリアに年何回当たるかも自動的に決まります。逆にここが曖昧なまま「今月はこの辺」と感覚で撒くと、同じ家に短期間で重なったり、1年間一度も入っていない空白地帯が生まれたりします。
一次商圏・二次商圏を距離で定義する
まず店舗・支店を中心に、物理的な距離で商圏を二層に分けます。
- 一次商圏:徒歩圏〜半径1km程度。「駅前のあの会社」と認識されやすく、査定依頼の反響が出やすい中心層。
- 二次商圏:車で5〜10分圏(半径2〜4km程度)。認知は薄いが世帯数が多く、売却検討者の母数を稼ぐ層。
幹線道路・河川・鉄道などで生活動線が分断される場合は、距離が近くても二次商圏扱いにするか、思い切って商圏外とします。地図上の円ではなく「実際にその家の人が来店する動線か」で線を引くのが実務的です。
年間の周回回数から分割数を逆算する
分割数は「年間で何回配布するか」÷「各エリアに何回当てたいか」で決めます。
- 年12回(毎月)配布 × 商圏4分割 → 各エリア年3回。反響重視の設計。
- 年12回 × 商圏12分割 → 各エリア年1回。浅く広く認知を取る設計。
- 年6回(隔月)× 商圏3分割 → 各エリア年2回。小商圏・少数精鋭型。
判断軸はシンプルで、売却査定の反響を狙うなら分割数を減らして周回頻度を上げる、新規開設直後などで認知を広げたいなら分割数を増やす、です。売却の検討は数か月〜数年かかるため、同じエリアに3〜4回当てたほうが「よく見る会社」として想起されやすく、反響の立ち上がりも読みやすくなります。
ブロックは町丁目単位で切る
分割の単位は町丁目が扱いやすく、世帯数データとも突き合わせやすいためおすすめです。1ブロックの世帯数が偏る場合は、丁目をまたいで3,000〜5,000世帯程度にまとめ、ブロックごとに通し番号を振って管理します。丁目をまたぐときは、戸建中心の区画と大型集合住宅を同じブロックに混ぜないことがポイントです。売買チラシは戸建・分譲マンション所有者が主対象のため、賃貸比率の高い集合住宅を分けておけば、配布方法を変えるだけで無駄撒きを減らせます。
ブロックごとに配布方法を変える
- 戸建が密集する住宅地:軒並み配布または戸建限定で効率重視。
- 分譲マンション中心:集合住宅集中で、築年数の経った物件を優先。
- 賃貸アパート主体:売買チラシなら原則除外、または賃貸向けの別原稿に差し替え。
同一エリアに繰り返し当てる設計のもう一つの利点は、検証がしやすいことです。毎回違うエリアに1回ずつ当てると、反響が出なかった理由がエリアなのか原稿なのか判別できません。同じブロックに3〜4回当てれば、「2周目から査定依頼が出た」といった累積効果を読み取れます。不動産会社の年間エリアローテーション設計と合わせて整理しておくと、計画の再現性が高まります。
なお、周回型の運用で避けたいのが重複と配布漏れです。GPSによる配布報告を使えば、ブロックごとの実施日と実施範囲が履歴として残るため、次回の周回時に「前回どこまで入ったか」を地図上で確認できます。担当者が変わっても配布実績が引き継げる点は、年間計画を継続するうえで実務的な安心材料になります。
1回あたりの配布枚数を商圏世帯数から逆算する
不動産売買チラシの年間配布計画で最初につまずきやすいのが「1回何枚配るか」です。ここは感覚ではなく、商圏世帯数から逆算して決めます。基本の考え方はシンプルで、商圏世帯数 × 対象絞り込み率(戸建比率・持ち家比率など)= 配布可能母数、そして年間配布総枚数 ÷ 周回数 ÷ エリア分割数 = 1回あたりの枚数という二段階です。
母数の把握に使う公的統計
配布可能母数を把握するには、まず公的統計で町丁目単位の世帯数を押さえます。実務でよく使われるのは次のような資料です。
- 国勢調査の小地域(町丁・字等)集計:世帯数、持ち家・借家の別、住宅の建て方
- 自治体が公表する町丁目別の世帯数・人口(住民基本台帳ベース)
- 住宅・土地統計調査などの住宅ストック関連データ
これらで「A町1丁目は約◯世帯、うち戸建が大半」といった輪郭を掴み、配布業者が持つエリア別の配布可能部数と突き合わせます。統計上の世帯数と実際に投函できる軒数は一致しないため、最終的な枚数は業者のエリアデータで確定させるのが実務の流れです。売買の売却査定狙いであれば、集合住宅を除いた戸建中心の母数が実質的な配布対象になります。
1回あたりの枚数レンジと決め方の手順
- 商圏全体の世帯数を町丁目単位で積み上げる
- 戸建・持ち家に絞った配布可能母数を算出する
- 年間予算から年間配布総枚数を決める
- 年間総枚数をエリア分割数と周回数で割り、1回あたり枚数を出す
- 1ブロックの母数を超える場合は分割数を増やす、下回る場合は周回数を上げる
1回3,000〜10,000枚といったレンジが語られることはありますが、これはあくまで目安で、実際には商圏規模と予算で決まります。都心部の高密度エリアと郊外の戸建中心エリアでは、同じ枚数でもカバーできる範囲がまったく違います。
小ロットでテストし、反応したブロックへ寄せる
初年度から全エリアに均等配分する必要はありません。数千枚の小ロットでブロック単位のテストを行い、査定依頼や問い合わせが出たブロックへ翌期の枚数を寄せていく方が、年間で見た投資効率は高くなります。ただし、枚数が少なすぎると反響0件でも「悪いエリア」なのか「母数不足」なのか判断できません。そこで、1ブロックあたりの最低実施枚数をあらかじめ決めておきます。たとえば「1ブロック最低2,000枚、同一ブロックに最低2回」といった基準を設けておけば、数字を比較する土台が揃います。枚数配分や検証サイクルの詳細は不動産チラシの継続配布で年間反響を検証するPDCA設計の考え方も併せて整理すると設計しやすくなります。
配布ペースと反響の立ち上がりを揃える
枚数を決めたら、消化ペースも計画に入れます。1日あたりの配布量によって、同じ1万枚でも3日で終わるか2週間かかるかが変わり、反響の出方も分散します。一般に、問い合わせは配布後数日〜2週間程度で動きが出ることが多いのが目安です。電話対応の体制や現地案内の人員を、この立ち上がり期間に合わせて確保しておきましょう。配布期間が長引くと、集計期間の切り方が曖昧になり効果検証がぶれるため、「配布開始日」「完了日」「反響集計の締め日」を発注時に業者と共有しておくことをおすすめします。GPSによる配布報告があれば、どのブロックがいつ配られたかを時系列で確認でき、反響データとの突き合わせ精度が上がります。
かんたん診断不動産売買チラシ、次の一手は?30秒でチェック ▲
🖨 印刷だけのご依頼もOK。A4両面カラー1万〜3万枚は全国最安値クラスでお受けします →
築年数・持ち家比率・世帯属性でエリアを絞り込む
商圏を分割しても、すべての町丁目に均等に撒く必要はありません。売買チラシ、とくに売却査定の訴求は「持ち家がどれだけあるか」「その家がいつ建てられたか」で反響の出方が大きく変わります。年間計画の精度を上げるには、分割したエリアをさらに町丁目単位で評価し、優先度をA/B/Cに仕分けておくことが実務上の近道です。
売却見込みが出やすい住宅地の傾向
- 築15〜30年前後の分譲地:設備更新や子どもの独立のタイミングと重なり、住み替え検討が生まれやすい傾向があります。分譲地は一斉に建てられるため築年数も揃い、同時期に売却検討が集中しやすい点が特徴です。
- 高齢世帯比率の高い地域:相続や施設入居を機に空き家・実家売却の相談が発生しやすい傾向があります。
- ファミリー層が多い新しめの住宅地:転勤・買い替えによる売却が一定割合で発生します。
いずれも「必ず売却が出る」ものではなく傾向です。あくまで優先順位付けの材料として扱ってください。
一次情報と公的統計を組み合わせる
- 自社データを地図に落とす:過去2〜3年の査定依頼の住所、成約物件の所在地、来店・問い合わせ客の居住地を町丁目別に集計します。既に反響が出ている地域は、同じ理由で今後も出る可能性があります。
- 公的統計で裏を取る:国勢調査で世帯数・持ち家比率・高齢化率を、住宅・土地統計調査で建築の時期別住宅数を確認し、築年帯の厚い地域を把握します。
- 現地で確認する:航空写真や現地巡回で、分譲地の規模・外壁や屋根の更新状況・空き家らしき住戸の有無を見ておくと、机上の数字と実態のズレを補正できます。
賃貸中心エリアは訴求を切り替える
持ち家比率が低く賃貸アパートが中心の地域は、売却査定チラシの反響は出にくくなります。この場合はエリアを外すか、投資用物件の売却・買取・空室相談など別訴求に切り替える判断をします。集合住宅集中配布を使い、オーナー向けではなく入居者向けの「家賃並みで買える戸建」訴求に振り替える手もあります。エリアを切るのではなく、訴求を切り替えるという発想が年間計画では有効です。
クレーム対策と禁止エリア管理
- マンション:管理規約で投函禁止としている物件、集合ポストが施錠管理されている物件は投函しない。掲示物や張り紙の指示に従い、管理人がいる時間帯は一声かける運用にします。
- 戸建:「チラシお断り」のステッカーや表示がある住戸は必ず除外。郵便受けからはみ出す投函、門扉内への立ち入りもトラブルの原因になります。
- 記録と共有:苦情が出た住所・物件名は社内で投函禁止リストの管理として一元化し、配布会社へ毎回最新版を渡します。年間配布では同じエリアを繰り返し回るため、除外漏れが重なると苦情が深刻化しやすいからです。
除外リストはエリア分割表と同じファイルで管理し、配布終了後の報告と突き合わせて更新する——この運用を定着させておくと、翌年以降の配布がぐっと安全かつ効率的になります。
繁忙期・閑散期の枚数配分と年間カレンダーの作り方
不動産売買のチラシは、年間総枚数を12等分して均等に撒くより、市場が動きやすい時期に厚く、落ち着く時期は薄く長く当てる配分のほうが反響を積み上げやすくなります。ここでは年間カレンダーの組み方を、枚数配分・訴求テーマ・制作運用の3点から整理します。
動きやすい時期と「助走期間」の考え方
一般的な目安として、売買市場は進学・転勤・年度替わりが重なる1〜3月、人事異動や秋の住み替え検討が動く9〜10月に相談が増えやすいと言われます。ただしチラシは撒いた月にすぐ媒介契約になるわけではなく、査定依頼までに数週間〜数か月かかるのが普通です。したがって繁忙期の前に助走を仕込むのが設計の勘所になります。
- 11〜12月:年始の住み替え検討層に向けた査定訴求を先行投入
- 8月:秋の動きに備え、相続・空き家・住み替えの相談窓口訴求
- 1〜3月/9〜10月:主力エリアに厚く、同一エリアへの反復を短い間隔で
年間総枚数を100とした配分例
- 1〜3月:30(繁忙期の主力。主力エリアに2周当てる)
- 4〜6月:18(反響が残りやすい時期。検証と原稿改善に充てる)
- 7〜8月:12(枚数は絞るが周回は止めない)
- 9〜10月:22(秋の売り時訴求で再度厚く)
- 11〜12月:18(年始に向けた助走と年末の相続・確定申告前訴求)
あくまで配分の一例で、戸建比率の高い郊外か、分譲マンション中心の駅近かといったエリア特性や、自社の人員体制によって最適値は変わります。初年度は上記のような配分で回し、2年目に実績ベースで組み替えるのが現実的です。
閑散期こそ周回を止めない
枚数を落としても配布を止めない理由は2つあります。ひとつは認知の維持で、売却は「困ったときに思い出した会社」に相談が入りやすいため、接触が途切れると繁忙期の反響も落ちます。もうひとつは検討中層の掘り起こしで、相続や離職など売却理由は季節と無関係に発生します。閑散期は枚数を半減させても、エリアの周回順だけは崩さず一巡させる設計にしてください。四半期ごとに回す配布計画の考え方を併用すると、月次の増減を管理しやすくなります。
季節ごとの訴求テーマと原稿運用
- 年始:新生活・住み替えの相談スタート訴求
- 2〜3月:転勤・年度末の売却スケジュール逆算訴求
- 1〜3月:相続・確定申告期に合わせた「相続した家の扱い」相談
- 9〜10月:秋の売り時・年内引き渡しを狙う逆算訴求
原稿は年4〜6パターンを用意し、印刷は配布開始の2〜3週間前に入稿できるよう逆算します。ABテストは同条件のエリアを2分割し、ヘッドライン、査定無料の見せ方(価格の出し方・所要時間の明記)、実績の出し方(成約件数か地域密着年数か)のいずれか1要素だけを変えて比較すると差が読めます。複数要素を同時に変えると原因が特定できません。
なお、年末年始や年度末、天候が安定しない梅雨時期は配布枠が混み合いやすく、希望日程が押さえにくくなります。繁忙期分は2〜3か月前に枠を仮押さえし、印刷と配布日をセットで業者と共有しておくと、計画どおりのカレンダー運用がしやすくなります。
🧮 サイズ・エリア・枚数を選ぶだけで、配布費用の参考見積もりがすぐ出せます →
費用と問い合わせ単価(CPA)の計算:年間発注での考え方
不動産売買のチラシを年間計画で回すなら、「今月いくら使ったか」ではなく「1件の媒介・成約を獲るためにいくらかかっているか」で判断します。ここでは年間予算を逆算するための計算式と、実務での更新手順を整理します。
まずは3つの計算式を固定する
- 配布コスト=(印刷単価+配布単価)×枚数…1枚あたりの合計単価を出し、枚数を掛けるだけ。デザイン費が別途かかる場合は年間費用として按分します。
- 問い合わせ単価(CPA)=総費用÷問い合わせ件数…査定依頼・相談・資料請求など、反響の種類ごとに分けて算出します。
- 媒介獲得単価=総費用÷媒介契約件数…売買の場合、最終的に見るべきはこちらです。
例として、1枚あたり合計単価が仮に8円、年間12万枚配布した場合の総費用は96万円。査定依頼が年間40件なら査定依頼単価は2.4万円、うち媒介契約が8件なら媒介獲得単価は12万円という計算になります(数値はあくまで計算例で、実際の単価や反響件数はエリア・枚数・時期・訴求内容により変動します)。
成約1件の許容獲得コストから年間予算を逆算する
- 自社の1成約あたりの平均粗利(仲介手数料ベース)を出す。
- 販促に回せる割合(例:粗利の10〜20%)を決め、許容獲得コストを算出する。
- 直近の実測から「媒介→成約率」「反響→媒介率」を掛け戻し、許容できる反響単価を求める。
- 目標成約件数×許容獲得コスト=年間のチラシ予算の上限、として年間枚数に割り戻す。
反響率は物件種別(戸建・マンション・土地)、エリアの持ち家比率、訴求内容(査定依頼訴求か売却事例訴求か)で大きく差が出ます。世の中で言われる反響率はあくまで目安であり、2〜3回配布した時点で自社の実測値に置き換え、半期ごとに計算式の前提を更新してください。
年間でまとめて発注するときの費用の考え方
- 配布エリアの最適化:年間の配布ブロックが事前に決まっていると、移動や段取りの無駄が減り、費用が読みやすくなります。
- まとめ配布のロット効果:単発を繰り返すより、年間枚数をまとめて計画した方が条件を調整しやすくなります。
- デザイン〜印刷〜配布のワンストップ化:窓口が一本化され、原稿差し替えのみの運用にすれば制作工数と費用の変動も抑えられます。
いずれも効果は目安であり、エリア・枚数・時期によって金額は変わります。重要なのは、追加料金が発生しない明朗会計で見積もられているか。年度途中で想定外の費用が乗ると、年間予算そのものが崩れ、CPA比較の前提も狂ってしまいます。
GPS報告と反響データを突き合わせて翌年に活かす
配布実施エリア・実施日の履歴がGPS報告で残っていれば、「Aブロックを3月に配布→その後2週間の査定依頼が何件」といった形で、ブロック単位の突き合わせができます。配布日と反響日のズレ(売買は検討期間が長く、数週間〜数カ月遅れて反応が出ることもある)を踏まえて集計期間を設計し、ブロック別の媒介獲得単価を一覧化しておくと、翌年の枚数配分の判断材料になります。詳しい検証の回し方は不動産チラシの継続配布で年間反響を検証するPDCA設計も参考にしてください。
かんたん診断不動産売買チラシ、次の一手は?30秒でチェック ▲
まとめ:年間計画×エリア単位の検証で反響を積み上げる
不動産売買のチラシは、1回の配布で査定依頼が殺到するタイプの広告ではありません。売却を検討するタイミングは世帯ごとにバラバラで、相続・住み替え・転勤といったきっかけが訪れた瞬間に「そういえば、よくチラシが入っていた会社があった」と想起されるかどうかが勝負です。だからこそ、同一エリアに年間を通して繰り返し当て続ける設計が成果を左右します。ここまでの流れを、実務で使えるチェックリストとして整理します。
年間配布計画の設計チェックリスト
- 商圏を定義する:店舗からの距離・取引実績の分布・成約物件の所在地から、現実的に仲介できる範囲を地図上で確定する。
- 4〜12分割する:商圏を町丁目単位でグルーピングし、月1回なら12分割、隔月なら6分割など配布頻度に合わせてローテーション単位を決める。
- 世帯数から枚数を逆算する:各エリアの対象世帯数を把握し、1回あたりの配布枚数と年間総枚数(枚数×回数×エリア数)を算出する。
- 属性で絞り込む:築20〜35年の戸建て中心、持ち家比率の高い地域、分譲年次が揃う住宅街など、売却が発生しやすい条件でエリアに優先順位をつける。
- 季節配分を決める:1〜3月・9〜10月の動きやすい時期に枚数を厚く、閑散期は維持配布に抑えるなど年間カレンダーに落とす。
- CPAで検証する:エリア別の反響数・査定依頼数・媒介獲得数を記録し、問い合わせ単価と媒介単価でエリアを入れ替える。
最初から完璧を目指さない
年間計画で重要なのは、1年回して初めて見えるデータがあるという前提に立つことです。どのエリアから査定依頼が出るか、どの月に反応が鈍るかは、実際に配ってみないと分かりません。初年度はいきなり全エリアに大量投下せず、小ロットで複数エリアに均等配布してベースラインを取り、四半期ごとに見直す進め方が現実的です。四半期ごとに回す配布計画の立て方を参考に、3カ月単位で枚数配分とエリアの入れ替えを行えば、年間を通じて無駄打ちを減らしながら精度を高められます。あわせて、チラシの反響電話に出た際のヒアリング項目(何を見て連絡したか、いつから検討しているか)を社内で統一しておくと、配布データと突き合わせた検証がしやすくなります。
ポスティングくんができること
- 全国対応:本店・支店ごとの商圏でも、同一の管理体制でエリア分割配布を手配できます。
- 小ロット〜大量配布まで:1エリア数千枚のテスト配布から、年間数十万枚規模の継続配布まで対応します。
- GPSによる配布報告:どのエリアをいつ配ったかを記録で確認でき、エリア別の反響検証や社内報告にそのまま使えます。
- 明朗会計:追加料金のない料金体系で、年間予算が組みやすくなります(料金はエリア・枚数・時期により変動するため目安としてご確認ください)。
年間配布計画の設計、商圏のエリア分割、枚数配分のご相談は無料で承っています。対象エリアの世帯数をもとにした配布枚数のご提案と、法人向けの無料お見積りもお出しできますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
ポスティングを依頼する前に
よくある質問(FAQ)

